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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/11号
2003年更新
関西のゴルフショップで高級クラブ中心に
狙い、約450本が盗まれる大型窃盗事件
 最近、ATM(現金自動預け払い機)を設置した家屋ごとシャベルカーで壊して現金を盗んでいくという、大掛かりで乱暴な盗難事件が相次いでいるが、ゴルフショップにおいても、それに似た窃盗事件がこのほど起きたのである。

 家屋ごと壊されたわけではないが、滋賀県大津市堅田にある「ゴルフショップオオニシ湖西店」で、店内のゴルフクラブがごっそりと盗まれたのだ。その数、実に約450本(約1750万円相当)もである。

「これだけの数のクラブが盗難に遭うというのは記憶にない」((社)日本ゴルフ用品協会)というほど大掛かりな窃盗事件だったのだ。

 村井晶利店長が事件のあらましをこう語る。「13日の午前3時頃、警報機が作動したので、契約している警備会社の警備員が駆けつけたところ、目出し帽を被った4、5人の男が店からクラブを運び出し、ミニバンに積み込んでいるのを発見したそうです。店内にもまだ賊がいたようですが、取り押さえられず逃げられ、警察も間に合いませんでした。連絡があって私もすぐに駆けつけましたが、店内にあったクラブのほとんどが消えていて驚きました。売れ筋の高級品をメインに置いてますが、その高級品を中心に盗られていました」

 同店は滋賀県内でゴルフ専門ショップの最大手として知られる「ゴルフショップオオニシ」の湖西店として3年前にオープン、国道から一筋入った道路に面し、道路側は全面ガラス張りで、ガラス扉の片面が破られて侵入されたようだ。

「シャッターもないので、割ろうとすれば可能でした。しかし、警報機も備えてあり安心していたのですが、侵入をチェックして作動する警報機がガラスが割れたらすぐに作動するシステムになっておらず、作動してから警備員が駆けつけるまでに時間がかかったようです」(村井店長)

 警報機が作動してから警備員が駆けつけるまで約10~15分。その短時間に手際よく特価品を除いて高級品だけを盗んだ手口に、おそらく客を装って下見をしたか、前日が定休日でもあり、ガラス越しに店内を探った可能性も指摘されている。盗難に遭ったクラブは、ドライバーとフェアウェイウッド合わせて約250本。それにアイアンが20セット(約200本)。他のゴルフ用品、事務所内の金庫類には一切手を付けておらず、高級クラブだけを狙った窃盗だ。

 同社の大西勇社長は「私自身、日本ゴルフ用品協会西日本支部の役員もしており、2年ほど前に関西でショップでの窃盗事件が頻発した時には注意を促したこともありました。その私のショップがこのようなことになり、恥ずかしい思いです。今後、二度と起こらないように、警備会社も変え、鉄柵をガラスの内側に立てるなど警備面を強化していくつもりです」と言う。

 さて、問題は盗難に遭ったクラブの行方。現金ならともかく、クラブはどこかへ売り捌かないことにはお金にならない。しかし、これだけ大量のクラブをどうやって捌くのか。考えられるのは、海外へ持ち出すルート、そして中古クラブショップへのルートだ。

「海外へのルートも考えられますが、船、飛行機を使っての密輸となれば、世界的にテロで取り締まりが厳しい中、難しい話です。また、断定はできませんが、中には盗品だとわかっていて買う中古クラブショップがあるのではないか、という疑念があります。ヘッドカバーがない新品クラブが中古ショップで売られていること自体、おかしくないでしょうか。全部の店がそうだとは言いませんが、ほぼ盗品とわかっていながら引き取る店もあるのでは」と大西社長は疑惑の目を向ける。

 クラブ盗難事件の増加は、中古ショップの増加で盗品を捌きやすくなったことが大きな要因のひとつだが、お金を払って取得していないクラブはそれとわかるようなシステムが何とかできないものだろうか。

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