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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/18号
2003年更新
インド人のA・アトワルが欧州ツアーでV!
最近、目立つアジアンツアー勢台頭の背景
 先の欧州・アジア両ツアー共同主管のカールスバーグマレーシアオープンで、欧州ツアー2年連続賞金王のR・グーセンを下して優勝したインド人プロ、アージャン・アトワル(29)。アジアの英雄誕生の裏には、欧州ツアーとアジアンツアーの積極的な交流が隠されていた。

 昨年のカルテックス・シンガポールマスターズで欧州ツアー初Vを飾ったアトワルはこれが2勝目で、青木功らに続き、欧州ツアーに勝った4人目のアジア人選手として同ツアーに名を残していた選手。

 父、ビンディさんの教えで14歳から名門・ロイヤルカルカッタでゴルフを始め、米国の高校に2年間留学した経験も持つ。22歳でアジアンツアーにデビューした年にヤング・プレーヤー・オブ・ジ・イヤーを獲得している。アジア、欧州両ツアーで戦っているが、今年は欧州を主戦場している。

 インド人としてはジープ・ミルカ・シンに続く2人目の欧州ツアーのメンバーとなっての活躍を、南アのデビッド・フロストの兄でティーチングプロとして有名なサム・フロストが支えている。私生活では00年に結婚したソナ夫人と2人暮し。今後の活躍が楽しみだが、最近、彼のほかにもアジアの選手の活躍が目立っている。

 今年のカルテックス・マスターズで、絶好調のE・エルスに土をつけた男として名前を轟かせた張連偉も、中国人選手でもともとはアジアンツアーの出身。どちらの試合もアジア、欧州両ツアーの共同主管の公認競技。この共同主管方式は、冬場は南スペインなど一部の地域でしか試合が行えない欧州ツアーと、スポンサー離れに歯止めをかけたいアジアンツアーの思惑が一致した形で始まった。最初はタイで開催された92年のジョニーウォーカー・クラシック。今年は会場を豪州に移し、オーストラレイジアツアーも共同主管に加わって行われている。

 99年にマレーシアオープン、01年にシンガポールマスターズ、02年には香港オープンが仲間入りし、季節が逆で、やはりスポンサー集めに苦しむ南半球のオーストラレイジアツアーや南アフリカツアーとの共同主管や、前述のようの3ツアー共同の形がフレキシブルに行われ、それぞれのツアーを発展させており、今では米国、日本ツアー以外は集まってひとつの大きなツアーのように行き来があるといっても過言ではない。そして、言うまでもなく、こういった環境が選手の実力を磨くのだ。

 昨年末に初めてアジアンツアーとの共同主管でアジア・沖縄オープンを開催したとは言え、未だに正式なツアー競技とは一線を画している日本ツアー。幸いまだスポンサーがさほど減らないため、とりあえず独自の開催方針を貫いているが、ツアー全体のスポンサーだったイーヤマも離れ、代わりが見つからないままの現状では、もっと世界を広げていくことを考えなくてはならないだろう。

 今月にはこのアトワル、張らがメンバーで謝敏男率いるアジアチームと、青木功率いる日本チーム(中嶋常幸、佐藤信人ら)が激突する第1回ダイナスティカップが控えているが、アジア勢の実力を目の当たりにすることになりそうだ。

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