週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
昨年終盤の国内女子ツアーを盛り上げた“FF”こと不動と藤井。今季初の海外メジャーを前にしての表情は対照的だった。一昨年、昨年と同選手権に参戦、3年目の今年はさらなる活躍が期待されていた不動は、2月時点で欠場の意向を明らかにした。「いや、別に理由といえる理由はないんです。ただ、昨年のナビスコを終えた時点で『来年は(出場資格を得ても)この試合は(出なくて)いいかな』と思っていた。開催コースも毎年同じですしね」と不動。海外往復の体力的な負担や、国内ツアー成績への影響を考えての“遠征絞り込み”かと思えば、そうでもないらしい。 「今年は海外をひとつ(の試合)に絞って集中とか、国内に専念とか、そんなふうに考えてるわけじゃありません。全米女子オープンと、もし資格があれば全英女子オープン(注:大会1カ月前時点の賞金ランク上位に出場権が与えられる)も考えたいです。でも私、もともとアマチュア時代から海外やメジャーへの憧れはないんですよ」。 今季開幕戦でも抜群の実力を見せてV一番乗りを果たした国内女王の海外での活躍を楽しみにしていたファンには、いささかガッカリの放棄ではある。 一方、そんな不動の不参加を聞き「え~っ、なんで~? もったいない」と嘆いたのは藤井。「私も憧れとかそんなのはないけど、賞金が高いですからね、なんと言っても。私たちプロは、稼いでナンボでしょう」と、鼻息は荒い。海外メジャーは昨年の全英女子オープンで経験済みだが、米国本土では初。それでも、昨年3月の米女子ツアー開幕戦の武富士クラシックで3日目単独首位に立ち、5位となった自信もちらつかせ「ミスしなければ勝てると思ってます。だからとくにナビスコのための対策はなし。ま、向こうの選手たちにひと泡吹かせてやるってくらいの感じで行ってきます」と頼もしい。 国際情勢緊迫の折、直前になっての渡米取り止め等も心配されたが、藤井は「戦争に巻き込まれちゃったらごめんなさい」と周囲に冗談を残しながら元気に日本を飛び立った。 「皆が聞いたら“勝手に言ってなさい”って言われるでしょうけど(笑)、とりあえず言っときます」と、相変わらずのビッグマウスを披露、今季は『2億、10勝、ツアー記録』を目標に掲げた藤井である。 昨年の優勝者、アニカ・ソレンスタムは、先述の武富士クラシックで最終日最終組を一緒に回り、ローカルルール違反を指摘され、闘わずして敗れた感もあった相手。藤井は「打倒アニカ」「打倒米ツアー」も胸の内に秘め、今季初メジャータイトルに挑戦する。