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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/29号
2003年更新
通常のキャディフィでラウンドレッスンが
受けられるシステム、まず4コースで開始
 プロのラウンドレッスンといえば、通常は所属プロを使って顧客サービスとして実施するゴルフ場が多いが、事務局を設けて自主的に運営しているプロのグループもある。そして、今度誕生したのが、キャディフィ並みの格安料金でラウンドレッスンを受けられるシステムだ。

 従来、プロのラウンドレッスンの料金といえば、レッスンフィに加え、プロのプレーフィも負担するのが一般的で、たとえば3人1組で依頼すれば、各々が数千円~1万円程度はかかっていた。

 ところが、今回始まったのは、プロによるずっと格安なラウンドレッスンだ。茨城県つくば市にある人材教育・派遣会社のエミーと、ゴルフ関連コンサルティング会社のMGC21が企画、運営するシステムで、まずエミー社がプロ(現在8人)、並びにゴルフ場(現在茨城県内の阿見GC、霞ヶ浦GC、桂ヶ丘CC、美浦GCの4コース)と契約。ゴルフ場にラウンドレッスンの案内を掲示する。希望者はエミー社に申込み、派遣を要請する。基本は1組3人にプロ1人がプレーイングキャディとして付きながらのレッスンで、その場合の料金はキャディフィと同程度で、1人当たりが払う額は3000~3500円といったところだ。

「営業管理費ということで、数百円を私どもが頂き、残りはすべてプロの収入になります」(エミー・渡辺満枝社長)と語るが、これでは同社はもちろん、プロにとっても小遣い程度の収入にしかならない。

実は、もともとこの企画は練習環境に恵まれないプロに、練習できる機会を与えようというのが大きな目的なんです」と渡辺社長。現在契約しているプロの中には、かつてツアーで活躍した須藤聡明もいるが、ほとんどは20~30代前半の若手。最近、この年代で実績のないプロは、練習コースを確保するのが難しくなっているそうだ。

「ゴルフ場のリストラで真っ先に切られるのが、僕たちのようなプロなんです。以前は支配人さんなどが個人的に配慮してくれ、退社後もタダで回らせてもらえるということがあったそうですが、今はよほどのつながりがなければ無理。僕の周囲には、コースにもなかなか出られないプロがたくさんいますよ」(契約の渡辺祐之プロ)

 また、ゴルフ場側も、「練習コースがなくて困っている若手のためというので、今回契約しました。格安といっても、ラウンドレッスンの仕事はせいぜい週末。暇なときは、コースを自由に使っていいと言ってあリます。もちろん、小遣いが欲しいなら普通のキャディのアルバイトもできますが、せっかくラウンドレッスンするんならどんどんレッスン客を連れて来い。そうしたら手取りも増えるんだとけしかけています」(霞ヶ浦国際GC・高橋憲一総支配人)

 契約プロは、契約コースはいつでも利用できる。彼らにとっては練習コースの確保。コースにとっては給料等の直接の負担なしでプロを育てながら、キャディの人員確保と多少の集客アップ。そして利用者にも喜ばれるという三者にうれしいサービスが狙いのようだ。

 企画のMGC21によれば、今後は、同様に練習環境に悩む若手プロをまとめながら(契約プロを中心とした競技会をすでに実施)、全国展開(目標全国20拠点)を進める計画という。レッスン本来の効果に加え、ツアーを夢見る若手プロに元気を貰うのはいいい刺激になるかも。

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