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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/20号
2003年更新
韓国旋風は米女子ツアーだけじゃない!
2連勝したイ・チヒって一体どんな選手?
 韓国出身の24歳、イ・チヒが、国内女子ツアー第2戦、第3戦で2週連続優勝。ポスト不動の一番手に名乗りをあげた。一昨年に1勝しているものの、昨年までは目立った存在ではなかったイ・チヒとは、いったいどんな選手なのか------。

 今季第2戦のプロミスレディスで最終日首位と3打差5位から6バーディ、1ボギーの猛攻を見せて逆転V。第3戦・再春館レディースでは首位タイから混戦を抜け出しての1打差勝利。どちらも最終ラウンドで尻上がりにショット、パットの調子を上げて優勝を手にしている。

 ソウル出身で、00年、日本のプロテストに合格した24歳。14歳でゴルフを始め、お嬢様大学として有名な梨花女子大学体育学部入学直後の97年には韓国の女子プロテストを通過、学生プロとしてトーナメントにも出場していた。日本でのプロ入り時も、まだ同4年在学中。00年12月の新人戦・加賀電子カップでは高橋美保子、山口裕子、大山志保ら同期を振り切って初優勝している。

 そもそもツアー本格参戦した01年以来、最終日の追い上げには定評がある。V戦線までには届かなくても、ベストスコア賞で表彰式に残った回数は、おそらくツアーでトップクラス。01年大詰め、賞金総額1億円大会の大王製紙エリエールレディスオープンでツアー競技初Vを飾ったときも、他選手、ツアー関係者のほとんどが「もう(優勝達成は)時間の問題だと思っていた」と納得顔だった。

 普段の素顔はいたって物静か。本格デビュー1年目で出場21試合中予選落ち僅か1回、賞金ランクはベスト10入り、日本プロスポーツ大賞女子ゴルフ部門の新人賞も受賞したが、おごるところもなく、礼儀正しく、周囲の評判は上々だ。プレーぶりもステディで、まさにオールラウンドプレーヤーといったところ。

 本人は「一番の得意クラブはパター」と話すが、パーオン率はつねに上位で、ショットの安定度は抜群。昨年の前半こそ「来日してからかかった」という花粉症で喉を痛め、成績が伸び悩んだが、今年は元日から3月初めの開幕戦を挟んでほぼ3カ月間の米国キャンプを張ってシーズン開幕を迎えている。

「先生のスウィングが私は一番好きなんです」というオーランド在住の師匠、チップ・ケイキー氏のもとへ飛び「1時間250ドル」のレッスンを受けながら練習を積んできた。漢方薬で体調も改善、現在は万全だ。

 韓国勢が席巻する米ツアーにも憧れる彼女だが「日本で賞金ランク5位以内に入ったらというのが、自分で心に決めている米ツアー挑戦への目安」という。不動裕理にも似た“堅実派”。

「いつかは日本の賞金女王になりたいです。でも自分自身の中では、どれもまだまだの気持ち」と語る。身長170センチ、体重61キロと、やや細身な体型だけに、気がかりは健康面とスタミナだが、このまま波に乗ると、ク・オッキやコウ・ウスンを追い越して『韓国選手初の日本ツアー賞金女王』の座を射止める可能性も大アリだ。

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