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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/3号
2003年更新
フジサンケイ優勝のT.ハミルトンを直撃
涙の理由、勝てなかった5年間の苦悩語る
 92年アジアンツアー(当時)の総合優勝者の資格で日本ツアーに参戦、通算7勝を挙げたトッド・ハミルトンが、先のフジサンケイクラシックで5年ぶりに優勝。ポーカーフェースの彼が、優勝インタビューで言葉を詰まらせた。そのとき脳裏をよぎったものは何だったのか?

------待ちに待った5年ぶりの優勝、おめでとうございます。

「ありがとう。長い間、勝てなかったので、本当に嬉しいです。優勝争いがこんなに楽しいものかと改めて実感しました」

------優勝した瞬間何を考えた?

「これが2位と1打差とかならドキドキして“やったぁ!”という気持ちになれたんだろうけど、5打差もあったので18番ではすでに張り詰めたものが弛んでいました。正直、どんなリアクションを取ったらいいかわからず、ちょっと困りました」

------一番緊張したのは?

「16番のティショット。左右がOBだし、3年前は3日目トップを走っていたのに『9』を叩いた苦い思い出があったので。あそこをパーで切り抜け、優勝を確信しました」

------で、17番はグリーンの狭い方にピタリ?

「あれはまぐれ。本当は安全にセンターを狙ったけど狭いサイドに乗ってくれた。紙一重で崖下だから、優勝するときは運も必要だということかな」

------川奈とは相性が良い?

「不思議ですね。好きなタイプのコースじゃないし、コウライグリーンも苦手。なのにこれまで2位が2回、ベスト10入りが5回かな? そして今回優勝と、なぜかいい結果がついてくる」

------インタビューでは涙が……。

「勝てずに苦しんだ時期が長かったから。昔アジアンツアーでプレーしていた頃も勝てず、オフに故郷のイリノイ州で寒い雪の中、打ち込みをやった辛い時代もあったけど、当時は優勝の喜びを知らなかったのでまだよかった。でも日本に来て、結果が出て、何度も優勝の感動を味わった後でドン底に突き落とされたので、その辛さは以前とは比べものになりませんでした」

------スランプに陥った原因は?

「他人にスウィングを習ったのが失敗でした。フェード一辺倒だったのをドローも打てるように改造したけど上手くいかなかった。あとは結果が出なくなると、自分で自分にプレッシャーをかけ過ぎて、悪循環を招いたことも……。悪くなると“あのバンカーには入れちゃダメ。OBは打っちゃダメ”と、してはいけないことばかり考えてしまうんです。本当は“あの目標に向かって打つぞ”とその1打に集中し、ポジティブに考えるべきなのに」

------家族と離れ離れも辛い?

「5年前に長男が生まれてから、家族が来日する機会は年に1回あるかないか。家族に会えず、ひとりで戦うのは辛いです。自分も苦しいけど、たとえば長男がアイスホッケーの試合に出るというとき、父親が見に行ってやれない、という状況が心苦しくて……」

------スランプから這い上がるきっかけは何だった?

「実は先日、フレッド・カプルスが5年ぶりに優勝をしたのを観て“もしかしたら自分にもこんなチャンスが訪れるかもしれない”とピンときたんです

------自らを投影し励まされた?

「そう。自分も5年間勝っていないけれど、その間に培った経験を活かすときは絶対来るはずだと。そうしたら今回は1ホールとか1ラウンド全体を思い煩うのではなく、目の前の1打1打に集中できた。それが勝因」

------次なる目標は米ツアー?

「ハイ。今年は本気で挑戦します。アメリカでプレーする姿を早く両親に見せたいし、お世話になった日本のファンに恩返しするためにも、米ツアーで活躍することがボクにとっての使命だと思っていますから」

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