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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/24号
2003年更新
マネージャーでもあるD・ラブiiiの義理の弟が
金の使い込み疑惑苦に自殺する衝撃的事件
 今週の全米オープン開催を前に、デービス・ラブⅢを不幸が見舞った。なんと彼の義理の弟で、マネジャーをしていたジェフリー・ナイト氏(37)が、ラブから金を横領、さらにはピストル自殺をして、その死体をラブ本人が発見するというショッキングなニュースが伝わってきたのだ。

 事件の概要は、まずラブがナイト氏の死体を発見したのが5月16日の朝。実は、この前日にナイト氏は、FBIの取調べを受け、その後に病院に立ち寄ったことが確認されている。その後、連絡が取れなくなり行方不明となったため、ラブが自らナイト氏の狩猟用のロッジへ捜しに行ったところ車の中で彼が自殺していたのを発見した。

 ナイト氏は、昨年末からラブの資産横領の疑いで、FBIの取調べを受けており、事件の4日前には、それまで何も知らされていなかったラブに、直接罪の告白をしていたという。ラブによれば、約100万ドル後の金が不明になっているということだが、問題はラブ自身が語るように、金額の問題ではなく、ショッキングな事件を、今後どう対処するかにあるようだ。

「まるで悪い映画を見続けているようだ。今言えるのは、彼は素晴らしい男だったということと、私の家族にとって非常に重要な人物だったということ」と語るラブ。

 このナイト氏、ラブの奥さんであるロビンさんの姉妹の夫にあたる。ちょっと遠い関係ではあるが、ラブのオペレーション・マネジャーという肩書きで、ツアー転戦の手配から、家計の管理まで行なっていたうえに、ラブと一緒に釣りや猟に頻繁に出かけるなど非常に親しい人物だった。それだけに、親しい身内に裏切られた上に、自殺されてしまったラブにとっては、ただ単にショッキングな事件だったばかりでなく、現実的な問題として、日々の生活にも支障をきたしている。たとえば、ラブに頼っていたナイト氏の残された妻と2人の子供に対しても、面倒を見ることになり、ゴルフどころではなくなり、先のメモリアルも急遽出場をキャンセルしているのだ。

 全米オープンの準備もかねて、1週前のFBRキャピタルオープンには出場したラブだが、なんと言っても、今季3勝で、現在賞金ランクのトップを独走する選手。昨年までの4年間で優勝したのは2001年のベブルビーチだけという彼が、今年は一気に復活の兆しを見せていただけに、事件の影響が懸念される。

 というのも、ラブはつねに実力的にはトップクラスと評価されていたが、メンタル面での弱さが指摘されていたからだ。実際、現在の好調について「今年は、より強くなったというフィーリングを持って、シーズンをスタートすることができた。自分の態度や行動、そして日常生活にも気を使い、とくにコース外でのメンタル面で試合に臨む準備に気を遣うようにして、それが成功しているんだ」とラブ自身語っている。つまり、今季はメンタル面での自信が成功に結びついていたわけで、それだけに、今回の事件がの影響が心配されるのである。

こんな事件を簡単に克服することはできないけれど、仕事はやらなくてはならないし、ゴルフのプレーも続けなければならない」とニューヨークタイムズ紙に語る一方で、24歳のときに飛行機事故で失くした父から「こんな状況にどう対処するか、どういった立派な行いができるかを学んでいる」とも語るラブ。  逆に今回の試練をバネに、全米オープンでは目覚しい活躍を見せてくれるのかもしれない。ラブの活躍を期待したい。

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