週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
同大会は現在年間6試合ある国内シニアツアーの第2戦。有名人のアマチュアとプロが最終日まで一緒にプレーするユニークな形式の試合だが、もちろんプロたちは真剣勝負。昨年の欧州シニアツアー賞金王の海老原清治をはじめ、3年連続で国内シニア賞金王の高橋勝成、昨年の全英シニア・オープン優勝者・須貝昇ら、レギュラーツアー時代から活躍している有名選手が出場する中、優勝暦は昨年の後援競技1勝のみ、賞金ランク15位でシニア初シードを手にしたばかりの伏兵・三好が、プレーオフで吉村金八を破っての優勝。喜びの声を聞いた。 ――プロ26年目にしてツアー初優勝の感想は? 「レギュラーツアー時代、なかなか試合に出られなかっただけに……、嬉しいですね」 ――やはり昨年、初シードを獲って自信がついた? 「そうですね。自分では“ひそかに今年は”と期待してはいましたが、こんなに早く勝てるとは思ってませんでした。実は、初戦のキャッスルヒルで初日5位、2日目8位といい位置にいたのに最終日崩れて22位に落ちてしまいました。しかも、最終日、自分が得意とする風の中のプレーで崩れただけに、かなり悔しかったんです。だから今大会も2日目で首位だったので、キャッスルヒルの二の舞だけはしたくないとの思いで最終日プレーしました。優勝もそうですが、自分としては満足できるプレーを最後までやり通せたことが一番嬉しいですね」 ――上がり数ホールでは、いいところで短いパットを外してしまいましたが……。 「ショットではプレッシャーは感じませんでしたが、パットはやっぱり気持ちが出てしまうんですね。『勝てるんじゃないかな』とちょっと考えたら……。プレッシャーのかかった場面で、パットで上体が突っ込んでいく昔の悪い癖が出てましたね」 ――長尺パターはいつから使い始めた? 「シニア入りしてからです。もともとパットは苦手だったのですが、長尺パターには抵抗があったんです。でもシニアになったことだし、いつまでも意地張っててもしようがないということで使い始めたのですが、長尺だとなぜか気楽にストロークできるようになったんです」 ――この試合のように、アマチュアと同じ組でプレーする形式は違和感なかった? 「私はふだんも生徒さんたちとラウンドレッスンで一緒に回ってますから、逆にやりやすかったですね、いつもと同じ雰囲気で(笑)。リラックスできてプレーできました」 ――レギュラーツアー時代からバリバリ活躍していた選手たちと闘ってみた印象は? 「2日目、高橋(勝成)さんと同じ組で回りましたが、調子は悪かったようですけど、ミスしてトラブルになったときの対応の仕方は参考になりました。ミスしても落ち着いていてバタバタしないというか」 ――現状ではシニアツアーの試合数が少ないですが、賞金以外の収入源は? 「おもに練習場でレッスンしてます。実は6、7年前に所属先のゴルフ場が倒産し、経営者が変わって、リストラに遭ったんです。それ以来フリーですが、そういうことも結果的には『頑張らないと』といった発奮材料につながったことはたしかですね」 ――(初めて手にする)1200万円の優勝賞金の使い道は? 「こういう時代ですから、(大金が入ったからといって)贅沢して使うこともできませんしね。貯金します」 ――今後の目標は? 「正直こんなに早く今年の目標が達成できると思ってなかったので……次の目標を考えないといけないですね(笑)」