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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。 内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。 |
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週刊ゴルフダイジェスト 7/8号 |
2003年更新 |
片山、伊沢、丸山……ツアープロの間で
人気のカラーグリップ、各社から続々発売 |
シャフト、ヘッド等々、ゴルフ用品のあらゆるモノがカラー化されてきた。ボールだって、ひと昔前にカラーボールが脚光を浴びたこともある。そんな中、「黒」の牙城が揺るがなかったグリップにも、いまカラー化の波が押し寄せつつある。
カラーグリップと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、片山晋呉のパターだろう。おそらく国内では彼だけであろう「グリップ契約」を結ぶルーツというメーカーの「マイナスイオンチタングリップ」を使っている。
同社はもともと特殊シリコンを扱う会社で、それに今話題のマイナスイオン効果をもたせた製品を販売しており、グリップは2年ほど前から企画。昨年春に試作品を片山に使用してもらったら彼が気に入り、契約へ。そして、この4月下旬から、細いタイプ4色(小売希望価格3000円)を発売している。
「やはり片山プロの影響でしょう。赤とオレンジが売れてます」(重光広・取締役)
7月には太いタイプ(5色)も発売する予定という。
「特殊シリコンの柔らかな感触と心身を落ち着かせるマイナスイオン効果が特徴。以前はグリップの握り方で悩んでいた片山プロが、オーソドックスな握り方にしてスムーズに手が動くようになったのもウチのグリップのお陰かな、と勝手に解釈しています(笑)」(重光氏)
最近、星野英正にも特注の青を供給。一般への売れ行きのほうも、滑り出しは順調とのことだ。
同時期、パターやウェッジでお馴染みのゲージデザインからも「マイナスイオンセラミックグリップ」という、大変よく似た商品名のカラーグリップが売り出された(4色~同2000円)。やはりシリコン素材のシットリ感、そしてマイナスイオンを放出することで血流をよくし、パット時の筋肉の緊張を和らげる効果が売りという。
「中日クラウンズでは17名の選手が使用していました」(広報担当・下沖一史氏)
その中には、青を装着する伊沢利光をはじめ、多色を試す近藤智弘や今野康晴などのトッププロがいる。フューチュラパターに装着している肥後かおりは「以前は同じグリップの黒をつけてましたけど、今は赤です。感触はもちろん同じですが、気分転換というか、明るく楽しくプレーできる」とカラーグリップ採用の理由を語る。
こうしたカラーグリップのカラー化は米国が一歩先を行っている。「もともとは90年代後半にウィングリップ社から発売されたのですが、それにパターメーカーが目をつけ、プロに供給する際、新製品と選手のイメージに合ったカラーグリップを装着させたのが始まり。現在は、スコッティキャメロンが標準仕様のラインナップで採用したように米国ではプロにも一般ゴルファーにもカラーグリップは人気があります」(ミニボックス・松本英樹社長)
そのウィングリップの国内代理店・ブロッサムによれば、日本でも3~4年前から徐々に売れ始めたという。こちらはレザーの風合いを持つ特殊素材を手巻きで仕上げたグリップで、色も多彩(同2000円)。昨年、丸山英樹がトリコロールカラーを使っていたのが印象的だ。国内では細川和彦や藤井かすみなどが使用しているという。
また、同社のOEM商品がベティナルディブランドでも売られている。
「今年の全米オープンで丸山プロが青いグリップを使っていましたが、あれは新しく『MARU』のロゴを入れたベティナルディのグリップでした」(国内輸入代理店のクルーズ)
同じく全米オープンでは、田中秀道の白グリップが目立っていた。米シースルー社の製品で、グリップ自体はスケルトン、つまり透明。下に好きなカラーリングを施して装着するグリップ。国内でも浅野彰子が、現在は白地に黄色のスマイルマークを細かく水玉模様のように配して使っている。
「選んだ理由は気分的なもので、これから夏になたらマークをひまわりに変えようかなと思ってます。革よりもフィット感がありますね」と浅野。
と、これまではパターグリップばかりを並べてきたが、カラー化はついにアイアンなどにも及び始めた。先月下旬、ツアーチャンプで知られるワークスが、同社のグリップブランド「パーフェクトプロ」にカラーモデルを加えた(5色で実勢価格1200~1500円)。
「ソフトなグリップ感で振動吸収力に優れています。また、水がしみないので雨の日にもいいですよ。意外ですが、上級者ほど白の人気が高いですね」(広報担当・平野俊文氏)
同社では年内にもパターグリップを発売する見通しだ。
「日本でもカラーグリップは確実に広がるでしょうね。私のところでも入荷するとすぐに売り切れます」(前出・松本氏)
近い将来、グリップのあまりのカラフルさに、目を白黒させる日が来るのかも。
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