週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
「夏のボーナス後の売上げの伸びは、ここ4、5年で今年が一番。複合素材ドライバーという、目新しい商品の登場が消費を刺激したのではないでしょうか」(二木ゴルフ、西脇弘氏) プロギア・TR-Xデュオ(チタンとカーボン)やミズノ・インテージ(チタンとマグネシウム合金)など、異種素材を複合したヘッドのドライバーが好調で、長く続いたゼクシオの独り勝ち状態にようやく変化が見えてきた。 「ただ漠然と飛ぶ、というのではなくコンセプトがわかりやすいのが売れている理由」(スポーツロード新橋店・クラブ担当)というように、複合素材ドライバーは見た目にも特徴がわかりやすいのが販売につながっているようで、5月末にヨネックスから出たサイバースターパワーブリッドも、発売当初から順調という。 ドライバーに関しては、明らかに「複合素材」は「高反発」に代わる新たなキーワードになりつつあり、ダンロップもブリヂストンも、投入時期を虎視眈々と狙っているようだ。 また、アイアンはドライバーほどの革新的な素材・デザイン変更がしづらいということもあり、ゼクシオに次ぐヒット商品がなかなか出てこなかったが、ここに来てブリヂストンのツアーステージV301が各店舗で売り上げを伸ばしている。 「発売当初はあまり動きがなかったのですが、テレビCMが多く流れるようになって、最初からV301目当てに来店するお客様が急激に増えました」(ヤトゴルフ松原店、吉川旬一氏) 打感をソフトにするためボールのカバーに使うエラストマー樹脂をヘッドに内蔵しており、こちらもいわば“複合素材”ヘッド。ドライバーの場合とは、その狙う効果は違えど、やはりゴルファーに訴求力が強いのか。 一方、ボール市場でも「ゼクシオ、ハイブリッドエブリオなどダンロップが好調なのに対し、ブリヂストンは、このところ苦戦していましたが、スーパーニューイングで巻き返しが期待できるのでは」(ゴルフギアサージ、梅野竜彦氏)と、こちらも活況の様子。 今年は梅雨が長引いたものの、涼しい日が長くプレー回数が増えたのか「ボールの販売数は去年より増えている」(二木ゴルフ)とのことで、競争が激化しているそうだ。 ともあれ、用品市場全体の市場規模が縮小する中、各社とも新しい機能を売りに新商品を投入してきている。選ぶほうもますます知識が求められそうだ。