週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
昨年末時点では50位以内に4人入っていた日本人選手も、8月8日時点ではゼロ。丸山茂樹の59位が最高で、次が61位の片山晋呉、あとは63位の伊沢利光と81位の谷口徹と惨憺たる状況になっている。 もちろん全米プロで優勝争いを演じたり、上位に入っていれば話は違うが、そうでない限り、厳しい状況は変わらない。 では、各々のメジャー出場資格を検証してみよう。まず、マスターズ。今年はワールドランクなど3つのカテゴリーで出場権があった丸山と、前年度終了時のワールドランク50位以内の資格で片山、伊沢、谷口の3人の計4人が出場。しかし、大会では37位タイの片山が最高で、来年の出場資格は誰も取れなかった。 他のメジャーの成績でマスターズ出場権を獲得した選手もいないが、もし全米プロで4位以内に入った選手がいれば出場権ゲット。あとは、今季米ツアー賞金ランク40位以内か年度末時点のワールドランク50位以内、来年のマスターズ直前での米ツアー賞金ランク10位以内かワールドランク50位以内という資格しか可能性はなく、以前のように慣例で日本の賞金王が招待されることのない現在では、このままだと日本人出場ゼロの可能性もある非常に厳しい状況だ。 次は全米オープン。全英オープンとともに予選から挑戦すれば本戦出場のチャンスはあるが、挑戦する選手は少ない。そんな中、今年は予選から本戦出場を果たした田中秀道が15位に入り、いち早く来年の出場権を獲得している。今年は他に、丸山が前年度米ツアー賞金ランク30位以内の資格、谷口が前年度日本ツアー賞金ランク2位以内の資格で出場したが、後者はワールドランク75位以内という条件付のため、今年、日本ツアーで賞金ランク2位以内になっても必ず出られるわけではない。 全英オープンは、毎年お馴染みの日本予選(計5人枠)が行われる他、前年度日本オープン王者、前年度日本ツアー賞金ランク上位3人にも出場権があるため、従来通り顔ぶれは賑やかになりそうだ。しかし、丸山ら日本ツアー以外で戦う選手には、大会直前のワールドランク50位以内、米ツアー賞金ランク5位以内、同前年度20位以内と厳しい。ただ、今年優勝したB・カーティスの出場資格、直前の指定試合(今年はウエスタンオープン)の上位者などもありこの限りではないが……。 最後に全米プロだが、他とは少し装いを異にしている。主催のPGAオブ・アメリカのメンバー、クラブプロが多数出場する関係で出場資格は厳しく、今年は、丸山、片山、伊沢、谷口の4人が出場(田中は補欠)したが、いずれも主催者推薦によるもの。しかし、このベースにはワールドランクがあるが、何位以内と明記されていないため、何ともいえないが、ワールドランクが基準になっていることには違いない。 ともあれ、メジャーで日本人の顔ぶれが少ないのはやはり寂しい。これからの試合でポイントを稼ぎ、年末までに少しでも多くの日本人選手が50位以内に入ってほしいものだ。