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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/16号
2003年更新
別会社のゴルフ場間で業務提携の動き
宮崎のコースは韓国のコースと提携
 産業界では今や、かつての系列を超えた提携は当たり前。効率重視で、国際的視野に立った柔軟で大胆な提携・協力関係が日々構築されている。そうした試みが最近、ゴルフ場経営にも持ち込まれつつある。果たして、利用するゴルファーにはメリットがあるのだろうか?

 千葉県のロッテ皆吉台CC(以下、ロッテ)とグレートアイランド倶楽部(以下、グレート)は、それぞれロッテと伊藤園という食品メーカーが経営母体で、ともに原則キャディ付きで、値引き競争に躍起になっているゴルフ場とは一線を画した経営を行うメンバーコースだ。

 車で約30分の距離にあり、いわばライバル・コースだが、その両コースが昨年10月からキャディの相互派遣の提携を結んでいる。大型コンペ開催時のキャディ不足に悩んでいたグレート側から、ロッテ側に派遣要請があったのがきっかけだった。

「それ以前から、周辺の似たような運営をしているゴルフ場と多角的な提携はできないかと考えていたんです」(ロッテ皆吉台CC・岡村学支配人)

 そのため、求められたキャディ派遣を快諾したうえで、腹案だったさらなる提携を提案。現在はグレートが事業として行っているプロショップ経営にロッテが協力。今年4月からショップの営業を委託している段階だが、「すでにコース管理面での資材の共同購入や人員の相互派遣の具体的な検討に入っています」(岡村支配人)

 将来的には、さらに提携コースを加え、各会員が互いに格安料金で利用し合える提携にまで進めていきたいという。

 ところで、キャディ派遣だが、ユニフォームは敢えて所属先のままで業務に就いており、所属ゴルフ場の代表としてキャディに緊張感が保たれ、互いにいい刺激になっているという。

 ゴルフ場間の提携では、日韓という国際的な提携もすでに実現している。韓国のアシアナ航空系列のアシアナCC(ソウル郊外)と、宮崎空港に近い宮崎CC、フェニックスCC、宮崎レイクサイドCCの3コースが、会員が相互にメンバー料金でプレーできる、いわゆる姉妹コースになったのだ。

 そして、さっそく宮崎側のあるゴルフ場の会員が10名ほどの団体で、アシアナCCに今月、プレーの予約を入れている。

「アシアナCCの会員には告知したばかりなので、予約はまだ受けていませんが、今、韓国国内では、ゴルフ場が不足している状態。これから寒くなるにつれ、希望者が増えると期待しています」(アシアナ航空宮崎支店・日比野恵一支店長)

 韓国では昨年11月にダンロップフェニックスがテレビ放映されたのを契機に、宮崎のゴルフ場が大人気になっている。参戦したチェ・キョンジュ選手の活躍と、韓国内には少ない(ゴルフ場の歴史が浅いため)林間コースの景観が、多くのゴルファーの心を捉えたようだ。

昨年12月から今年3月まで、韓国からは約7000人の来場がありました。前年の同期間は約1500人ですから、5倍近い伸びです」(フェニックスリゾート(株)・ゴルフ事業部ゴルフ企画・茂山宏美氏)

 周辺コースにも大勢の韓国人ゴルファーが訪れ、県の観光産業にとって一躍重要な観光客になったという。そこで県側もこの宮崎人気をブームで終らせないよう、今年は韓国で定期的なPR活動を行っている。

 また、フェニックスCCも、今年のダンロップフェニックスには主催者推薦で初めて韓国ツアー選手を招待。その記者発表会を今月末、韓国内で開催、併せてゴルフ場のプロモーションも展開する予定という。

 これまで、スタンプラリーのようなイベントを通じ、優待料金などで提携したゴルフ場はいくつもあったが、業務提携も本格的・国際的になってきた。ゴルファーにメリットがあることなら大歓迎である。

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