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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/23号
2003年更新
KBCで今季4人目のツアー初V者誕生!
“QT出身組”の田島創志ってどんな選手?
 先の久光製薬KBCオーガスタで、A・ストルツ、星野英正、谷原秀人に次いで今季国内男子トーナメント4人目のツアー初優勝者が誕生した。昨年1年間で、招待選手のJ・ローズを除くとツアー初優勝者は5人。前半戦をやや過ぎた時点で4人は“初優勝ラッシュ”とまでは言えないまでも、かなりのハイペースだ。

 今季4人目のツアー初優勝者となったのは、群馬県生まれで今月25日に27歳になる日大出身の田島創志。大学時代は主将を務め、ゴルフ部を牽引する立場だったが、これといったタイトルは獲れず、目立たない存在だった。

 ゴルフを始めたのは10歳。ジュニア時代は高校3年のときに日本ジュニアで3位に入ったのがもっとも目立った成績だったが、その際に日大ゴルフ部の目にとまり進学先を決めた。ちなみに高校は「同期に東大進学者が14人いる」(田島)という県内屈指の進学校の高崎高校だ。

 だが、プロを目指す決心をしていた田島は、ほとんど勉強らしい勉強はしなかったとか。

 大学卒業後、最初のプロテストのチャンスを1日違いの「うっかりミス」で申し込みに遅れ、1年間の“浪人”を余儀なくされたというエピソードも。その浪人中にパソコンを覚え、自分のホームページを自力で立ち上げてしまった。また、大手印刷会社の社内報に連載ページを持つ異彩プロでもある。その田島創志に話を聞いた。

------昨年の賞金ランク92位はともかく、今季の前半もあまり目立った成績が出てなかったのが、どうして急に?

「課題は安定したフェードを打つことなんですが、そのためにはこの1年を棒に振ってもいいと思っていました。最初は、フェードが全然コントロールできなくて、チーピンも出れば、右プッシュも出るという状態だったんです。それが段々、球のコントロールができるようになってきたんです」

------コーチの堀尾研氏との出会いがゴルフを変えたとか?

「昨年のよみうりオープンのときに堀尾さんのほうから声を掛けてくれ、それからちょくちょく見てもらっていました。自分の持ち味でもあるフックグリップを変えないで安定したフェードを打ちたい、という僕の考えに共鳴してくれたんです。また、昨年のカシオで予選は通ったけど内容はひどく、そんな状態で翌週のQTに行ってもダメだと思って、急遽電話して、会場の高知まで来てもらったんです。QT初日の直前に見てもらったんですが、そうしたら2位に入れて、それで今年からは正式に見てもらうようになりました」

------パッティングは片山晋呉にヒントをもらったとか。

「試合中に変なクセがついてしまったのを直すのがラウンド後のパッティング練習だと、その方法と意味を片山さんから教えてもらいました。それでも大事なところで短いのを外すので、アイフルのときにクロスハンドで練習していたら、これがよく入るんですよ。それでコーチに『本番もこれで行こうか?』と言ったら、『それもいいんじゃないかな』ということになって、続けています」

------ウッドを5本入れているのも片山選手の影響?

「はい、それを僕なりにアレンジしています。芥屋GCの17番では9番ウッドが強力な武器になってくれました」

------それにしても初優勝とは思えない勝ち方。その自信はどこから?

「広島のときに優勝争いをしていて、気持ちは入っているのに、それに伴う技術がないなと。その後、漠然と技術を追うのではなく、プレッシャーがある中でも通用する技術をと思って取り組んだんです。前の2試合で、それがある程度できた、という自信がありましたから」

------メンタルトレーニングは?

「僕には必要ないと思っています」

------今後の目標は?

「最初はシード権獲得でしたが、7月の段階で手が届くところに来たので、目標を日本シリーズ出場に変えました。今回の優勝でそれも達成できたので、今はメジャー出場を目標にしています。つまり賞金ランク3位以内に入って、全英オープンに出場することです。目標が達成できると気持ちを切り換えて、すぐに新しい目標を設定するようにしています」

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