週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
通常のスポンサートーナメントではたいてい実施しているプロアマ競技(スポンサー企業が取引関係者を招待するのが一般的)も、JGAが主催するオープン選手権では男女シニアとも行われてこなかった。 もっとも、古くからの関係者によれば、日本オープンでかつて行われたことがあったそうだが、今回のように参加料を集めての公募形式は初の試み。ただし、公募といっても現時点では、「会場の宝塚GCが中心となって、同GCの会員さんを始め、関西方面でご理解を頂けそうなゴルファーに内々に打診している段階。一般にお知らせするのは、9月の8日過ぎになると思います」(運営会社の担当者) 最初から大々的に公募できないのは、やはり参加者を厳選したいからだろう。半面、参加料は1人10万円(朝・昼食、パーティ代、ジュニア育成基金寄付金込み)で、1組3人、つまり30万円からの申込みという高額が応募のネックになり、予定数に達するのだろうかという不安もある。これは、同じく有料でプロアマ参加者を集める中日クラウンズやダンロップフェニックスも同じで、両大会とも公募ではなく結局は内々で誘っているのが実情である。 ただ、参加料ひとり当たり10万円という金額だが、中日クラウンズが25~30万円(記念品などに違いがある)で、毎年30組の応募があるというから、特別高い金額ではないのかもしれない。 だが、正直どのプロの組に入るかによって価値は大きく変わる。杉原輝雄、金井清一、青木功(日程が重なる米シニアツアー選手権の出場権が得られなければ出場の意向)といった人気プロと一緒なら安いと思うゴルファーは少なくないはず。 ところで、JGAがあえてこうした収益事業に乗り出した背景には、活動内容が大きく転換したという事情があるようだ。 「JGAには、ゴルファーの底辺拡大につながる活動を率先して行うべきという話は、もう10年以上も前からあったのですが、残念ながら、今まで具体的には何もできずにいました。最近、ようやくいろんな事業が実施され、半歩踏み出したところ。でも、資金が必要ですからね。今年新設された事業委員会の事業内容には、新規の資金調達の方針がきちんと謳われています」(JGA広報参与・土井新吉氏) この8月には、JGAを始めとする関係団体が協力し、全国の小学校を対象にスナッグゴルフの普及や、その用具を寄贈する「キッズゴルフ・プロジェクト」をスタート。また、土井氏によれば、会社をリタイアした高齢者に再びゴルフ場に戻ってきてもらう事業があり、具体的な検討に入っているという。 JGAも加盟クラブの加盟料だけではやっていけない時代になったことは確かなようだ。