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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/7号
2003年更新
欧州が米国に勝ったソルハイムカップだが
実力者揃いの韓国、豪州勢は出場不可……
 17.5対10.5ポイントという大差で、欧州チームが圧勝した今年の米欧女子対抗戦、ソルハイムカップ。欧州 vs 米国のチーム戦ということでいえば、昨年のライダーカップで米国チームが敗退、さらには、8月末に開催されたアマチュアのウォーカーカップでも、欧州チームが勝利しており、米国にタイトルがないのは、史上初の“事件”となった。

 ただ、男子の場合、米国が負けたといっても、力は拮抗しており、さほど心配はされていないが、問題はこのソルハイムカップ。試合フォーマット変更を初め、日本を初めとしたアジア人チーム、あるいは南半球チームを加えるべきではないか、といった声まで出ているのだ。

 何よりもまず、懸念されるのは、米国での関心の低さだろう。「テレビ中継がアメリカの真夜中だったという条件が悪すぎた」と語ったのは米国チームのキャプテン、P・シーハンだが、今年は放映がネット局のNBCではなく、ケーブル局のゴルフチャンネルだった上、スウェーデンでの開催で、しかも現地で午後1時に試合が終わっている。米国では、ニューヨークの朝7時、ロサンゼルスでは朝4時に終わっているというわけだ。

 現地では盛り上がったようで8万人を数えたギャラリーが観戦したそうだが、米国でライブ(ゴルフチャンネルでは再放送を日曜日の夜に放映)で観た人数よりも、そのギャラリー数のほうが多かったのではといった声すら出ているほどだ。

「ドキドキするどころではなく、本当に緊張した。(ここでは)何でもアメリカと比較されるの。ホテルにしてもなんにしても。でも、結果はすべての面で私たちが勝つことができたわ」とA・ソレンスタムが語っていたが、ある意味、賞金ランクのトップを走る彼女が、地元で活躍したのだから、スウェーデンでは関心を集めたことは想像に難くない。しかし、注目されたのはソレンスタムぐらいで、強い選手がほとんど参加していなかったのだ。

 なにしろ、今年の米LPGA、14名の優勝者のうち、7名が欧州、米国以外の国の出身者で、ソルハイムカップの出場資格を持っていない。さらに、賞金ランクから見ても2位から4位までの3人は、パク・セリ、グレース・パーク、ハン・ヒー・ウォンの韓国勢、5位にJ・インクスターがいるものの、6位は台湾のC・クンだし、7位がメキシコのL・オチョア、9位がK・ウェブで、賞金ランク上位10名のうち、ソルハイムカップに出場したのは、欧米合わせてもわずか4名だけ

 ライダーカップにも同じことが言えるが、かつては欧州と米国だけで、トッププレーヤーが集まり、最高レベルの試合が見られたのだが、今では、男子にプレジデンツカップがあるように、それ以外の国の選手を入れないことには話にならなくなってきているのだ。まして、LPGAに至っては、16名のツアー選手を輩出する韓国、あるいはK・ウェブを筆頭に今季5勝を挙げているオーストラリア勢を加えないことには、ソルハイムカップの存続すら危うくなるのではないだろうか?

 試合前には、「ジョン・ソルハイムは、どんなフォーマットの変更も受け入れることは考えていない。それは1990年に始まったソルハイムカップの伝統を失うからだ」とピンの広報担当のB・カンティン氏は語っていたが、今回の人気低迷と、それに伴う批判に、どう答えるつもりなのだろうか?

 女子のほうでも、プレジデンツカップのような新しい試合を作る時期に来ているということかもしれない。

 伝統的に日本人のスポーツ選手はチーム戦で力を発揮し、好成績を収めることが多いだけに、こうした試合への参加チャンスを与えてほしいのだが……。

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