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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/21号
2003年更新
株価急上昇の中、ゴルフ関連銘柄も上昇中
「スピーダー」効果? 藤倉ゴムは急騰
 円高という不安要素はあるにしても、このところ日本経済の景気回復を示す指標が次々と発表されている。株価も1万円の大台に乗り、一般投資家が株式市場に寄せる目も熱くなってきたようだ。そんな中、上場しているゴルフ用品メーカーもこぞって株価を上げている。用品市場の低迷が続く中、この活況は本物なのか?

 さっそく今年に入り、株価が回復、上昇しているメーカーに聞いてみよう。

 まずは、2年前に関税法違反や不当な二重価格表示などの不祥事が問われ、社長が交代した本間ゴルフ(ジャスダック市場)。株価は今年4月の70円台から、9月には135円の年初来最高値(同)をつけ、現在は120円台を推移している(10月2日調べ)。

 同社の広報担当者は、「回復と言われても、まだまだですが……」と断った上で、「リストラが一巡したこと。その中で、ツインマークスという売れる商品に特化し、収益が上がる企業体質になってきたこと。また、新しいヒット商品(ツインマークス460RF)が生まれていることなども評価されているのでは」と語る。

 年初の80円前後から9月にはやはり年初来最高値の161円(同)まで上げ、現在も150円台を推移、今年に入って約2倍近い上昇を見せたダイワ精工(東証1部)は、コスト削減効果で収益を確保。5期ぶりの復配の可能性も出てきた。

「市場全体の動きに引きずられての動きでしょう。ただ、今年度から4半期ごとの決算発表を始めたのですが、この4~6月期は釣具の売上げが上がったお陰でいい数字が出たので、見直されたでは?」(広報室)との分析。残念ながら、ヒットした「オノフ」効果は語られなかった。

 年初の200円前後から、10月2日には680円(終値)と3倍以上の上げを見せ、今や700円台にも乗せようかという勢いなのが、シャフトメーカーの藤倉ゴム工業(東証2部)。

 同社の上昇要因は、紛れもなく「業績好調」。今年3月期の決算で、主力の自動車部品に加え、クラブシャフトの売上げも好調で経常利益が前期比2.7倍の14億円に。また、年間配当も1円増加の8円にすると発表(5月28日)。その利回りの良さもあって、その後は一本調子に値を上げている。中でも目立つのが外国人投資家で、外資系の機関投資家2社が同社の株主のベスト10に入っている。そこには「スピーダー」をはじめ、同社シャフトが世界市場で人気を集めている影響が……?

「外国人投資家は高配当に注目したというふうに聞いていますが、確かにシャフト人気もあったのかも(笑)」(スポーツ用品営業・高梨修一部長)との返答。

 真偽はともかく、今やリシャフトとは無縁のゴルファーにも「フジクラ」の名前は知れ渡り、指名買いが急増している。外国人投資家の中にもそんな指名買いゴルファーがいたのかも……。

 ところで、これら一連のゴルフ用品メーカーの株価上昇を証券アナリストはどう見ているのだろうか。

「全体的には、市場の地合いに沿った動きでしょう。個別には、財務体質が良く、利益が出ているにもかかわらず売られすぎていた企業が値を戻しているんだと思います。注目しているのは藤倉ゴムや遠藤製作所などの部品メーカーです。世界的なヒット商品を開発する力があり、株価が一気に上昇する可能性があります」(UFJつばさ証券・原英嗣氏)

 用品業界では、いずれ中国市場の急拡大が期待されている。そこで、韓国から中国、東南アジアにかけて根強いブランド人気を誇る本間ゴルフの株価上昇には、そうした将来性を見据えた買いもあるのかもと、本間ゴルフでは見ている。

 株式市場の規模が小さいため、実際は注目度もまだまだ低い業界だが、今後、中国など国際市場での活躍によってはちょっと面白い存在になるのかも。

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