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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/28号
2003年更新
“藍ちゃんフィーバー”の日本女子OPは
服部道子が優勝、気になる「歩き方」の秘密
 日本女子オープン(10月2~5日)は最終日1アンダーで並んだ服部道子とイ・チヒ(韓国)がプレーオフの死闘の末、2ホール目で決着。服部道子が25歳で同大会を制して以来、9年ぶり2度目の優勝、廣済堂レディスに続く今季2勝目を飾った。今大会は前週に優勝した宮里藍をひと目見たいファンが会場を埋めつくし、“藍ちゃんフィーバー”一色に湧く、近年にない大盛況の大会となった。そんな中、服部は宮里と同じ元祖トップアマ、トップジュニアという意地を見せたというわけだ。

 しかし、トッププロとして宮里に“楽な勝ち方とはこういうものだ”と教えるにはほど遠い展開だった。初日トップ、2日目2位、3日目にトップに返り咲き、最終日は14番で2位に3打差とリードを広げる楽な展開ながら、あっさり逃げ切ることができなかった。プロ通算15勝もしているベテランらしからぬドタバタぶり。そこから何とか粘り抜き優勝できた、その要因を聞いた。

------プレーオフでイ・チヒがこのパットを決めれば優勝というたった70センチほどのパットを外し4パットして、結果逆転優勝できましたが……。

「私は頭の中が真っ白でした。エッ、なんで(2パット目を)外してしまったのって。なんでそんなにイッちゃうのって(2メートルほどオーバー)。テレビを観ている視聴者のように第三者的な気持ちで見ていました。ただ冷静にもなれて、キャディさんとも話ができました」

------優勝した感想は?

「本当に信じられません。ずっと不調が続いていたので、まさか勝てるとは思っていませんでした。しかし、初めてこのコース(千葉CC野田コース)を回ったとき、ここは私に向いているなとは思いました」

------不調をどう乗り越えたんですか?

「コツコツやってきたことが報われたんだと思います。ゴルフの神様がご褒美をくれたんでしょう。石渡(俊彦)コーチにも感謝しています」

------手を大きく振って歩く歩き方がたいへん印象的でしたが、あれは何か理由があったんですか?

「エッ、そんなに(歩き方が)おかしかったですか?(女子オープンは)2サムなのでリズムが早くならないよう気をつけてはいたんですが。そんなに? 恥ずかしいですね(笑)」

*


 服部に代わってそのポイントを石渡コーチが解説してくれた。「リズムはもちろんですが、姿勢よく同じ歩き方をラウンド中続けるとアドレスの姿勢がよくなるんです。だから2人で取り組み始めてからは、歩き方を注意するようにしました。それを本人が意識する以上に周りの人からは特徴的に見えたのかもしれませんね。

 もうひとつリズムをよくするためにショット前のルーティンも教えました。ボールの飛球線後方で、スタンスを広く保ち、つま先を外向きにし、ガニ股に開いてテークバックし左肩をしっかり入れて止める動きです。手足が長い服部にはこの形をルーティンに取り入れたほうがいいと考えたんです」

 先にラウンドを終えた藍ちゃんの後は、ドタバタの優勝劇と、特徴的な歩き方で、一身に注目を浴びた服部。

「私たちのジュニアの頃より今のジュニアたちは本当にしっかりしています。私たちは試合中、何をしていいかわかりませんでしたが、今の人たちは皆、物怖じしないですよね」

 若い世代が女子ツアーの人気を引っ張るのもいいことだが、やはり先輩プロたちの意地と若い世代の初々しさがぶつかり合ってこそ、さらに女子ツアーが発展するのではないだろうか。

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