週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
「飲んで捕まったら、罰金30万円!」------ この脅し文句が効いたせいばかりではない。ゴルフ場も酒気帯び運転の回避を呼びかけた結果、ゴルフ帰りの酒気帯び運転は確実に減っているようだ。 昨年暮れに民間主導では珍しい「飲酒運転撲滅キャンペーン」を展開した東京都ゴルフ場連盟(18コース加盟)では「この秋の交通安全週間の期間中、うちの連盟のコースからは(ゴルフ帰りに)酒気帯びで検挙されたお客様はいなかったと、警察の方から聞いています」(森川孝志会長)とキャンペーンの成果を誇る。 ところが、そのためにゴルフ場は、コンペ後のパーティの開催が減り、食堂の売上げが激減。同連盟のゴルフ場の中には、今年初め、ひと月当たりのパーティ数が半数にまで減ったところもあったようだが、ここにきて回復傾向にあるという。 「いったん50パーセントまで売上げが落ちたコースも、25パーセントほどまで回復しています。埼玉のゴルフ場では、パーティ数が元に戻ったところもあると聞いています」(森川会長) ノンアルコールビールや相乗りなど、ゴルファー側が工夫して飲酒運転を回避しつつパーティを開くようになったからだが、工夫のひとつに「運転代行サービス」がある。都ゴルフ場連盟では業者と契約し、割引で利用できるようにし、さらに代行サービスの存在を積極的に告知した。結果、たとえ飲んでも飲酒運転をしないゴルファーが増えたという。 ちなみに運転代行の料金だが、(社)全国運転代行協会の東京支部では初乗り(1キロまで)1800円、以降0.5キロごとに200円加算、20キロを超えると同300円加算が基本。遠距離への迎えには、別途迎車料金が加算されることもある。 さらに、この10月1日から辛党ゴルファーには心強いサービスが誕生した。人と車を一緒に載せて運ぶ「キャリアタクシー」だ。このニュービジネスを発案したのは、三重県津市にある小川運送。2年半ほど前から企画、運輸局に粘り強く交渉した結果、この9月24日にようやく許可が降りた(業務用ナンバーが交付された)。 「他でやってないことをお役所に認めさせるのは大変なんですよ。何が何でもという想いで、ハラくくってやりました」と小川成社長。車を運ぶキャリアカーと呼ばれるトラックを改造し、車を荷台に安全に載せる装備の他に、タクシーと同様のメーターを取り付けるなど1台約700万円改造費を要するのだが、それを1度に10台も申請したのだから、ハラのくくりようがわかる。 その甲斐あって営業初日の1日には、さっそく県内にある一志GCのコンペ客からまとめて5台の申込みがあった。 「うちを通してではなく、お客様が申し込まれたようです。今後、利用客が増えるようでしたら、積極的にご案内したいと思います」(一志GC) ちなみに、車は運転手以外に6人乗車でき、料金は6人までなら何人乗っても同じで、基本料金(車輸送費)1000円に、初乗り(1.5キロまで)680円、以降288メートルごとに100円加算される。 「タクシー代とほとんど変わらないと思いますよ」と小川社長。同社の業界初の営業を受けて、滋賀、和歌山など周辺で参入の動きが相継いでいるそうだ。「全国に広がったほうが、利用者にとっては便利でしょうから、いつでも相談に乗りますよ。うちがやっているので、今後はスムーズに許可されるはずです」(小川社長) それまでは、プレー帰りの運転手は、パーティなどでの飲酒はやはり自粛、自粛ですぞ!