週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
以前は、「インターナショナル・ツアー」というシリーズ名も冠されたこの3連戦。バブル期の90年には、メジャー優勝経験者10人を含む30人以上の外国人選手を招待するなど豪華な顔ぶれがウリだったが、バブル崩壊とともに、その豪華さも次第に尻すぼみに。 今年は、これまでに発表された招待選手の顔ぶれを見ると、まず11月13日から始まる「三井住友VISA太平洋マスターズ」には、今年の全英オープン制覇で世界中を驚かせたシンデレラボーイのB・カーティスと、豪州のR・アレンビーが出場。 つぎに翌週の「ダンロップフェニックス」。昨年はT・ウッズの出場で大騒ぎとなったが、今年はS・ガルシア、全英オープンでの惜敗が記憶に新しいT・ビヨーン、欧州ツアーで復活したウエストウッド、そしてホストプロでもあるD・デュバルといったところが大物どころか。 続く「カシオワールドオープン」。ここにも例年、大物選手が招待されるが、23日現在、主催者側は「まだ調整中」とするものの、巷間話題になっている女子の、ローラ・デービーズの参加は間違いなさそうだ。 「発表が遅れているのは、デービーズ以外の男子選手との交渉がモメているからのようです」(ツアー関係者) さて、以上の顔ぶれを見ての感想だが、「関係者からは、未発表のカシオは別にしても、今年は華がないと言われてます。でも、ならば誰を呼んだら華があるの? ということですよ」と、運営会社の担当スタッフは説明する。 たしかに今、「華」のある選手、名前だけでギャラリーを集める選手といえば、タイガー、あるいはE・エルス、マスターズ覇者のM・ウィアー、全米オープン王者のJ・フューリックくらいだが、それでも、華やかさの点では小粒だ。 こうして、もともと「華」のある選手が限られる上に、今年は同時期に大きな国際競技が重なっており、実力選手の多くが呼ぼうにも呼べない事情にあった。 たとえば、太平洋マスターズの週には、米国でワールドカップが開催。日本の丸山茂樹、田中秀道を筆頭に、24の国と地域を代表する各2選手が出場する。翌週には、アメリカ対インターナショナル(欧州を除く)の対抗戦「プレジデンツカップ」が南アフリカで開催。各12名の代表の中には、タイガー、エルスを始め世界のトッププレーヤーがずらりと勢ぞろいしているのだ。 こうした話題性に乏しい状況をひとりで背負うことになるのが、カシオに参戦する女子のデービーズだ。実現すれば、国内男子ツアー戦では初の女子選手の挑戦となる。 彼女は10月、すでに男子の韓国オープンに出場。男子に劣らない飛距離の持ち主であることから成績が注目されたが、残念ながら結果は予選落ち。その無念さを晴らそうと、本人は乗り気とも伝えられる。そして、主催者側にとっても、大物選手の招聘が困難な現状にあって、彼女の出場はこれ以上ない話題作りである。しかも、女子選手のアピアランスフィは、男子に比べてグッと安い。 しかし、やりにくいのはプレーする男子選手だろう。今季はA・ソレンスタムを筆頭に女子の男子ツアー挑戦が続き、話題を集めたが、予選を通過したのは先週、韓国の男子ツアーに出場したパク・セリただひとり。 さて、日本男児は、意地を見せることができるのか------。