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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/11号
2003年更新
富士通レディースの視聴率が日本OP上回る
不動&宮里効果か、今季は女子ツアーに軍配
 賞金総額も少なければ、ギャラリー数も、TV視聴率も女子は男子に及ばない。これが国内男女ツアーのこれまでの力関係だったが、今季、その一部で両者の立場が度々逆転している。この逆転現象をどう見ているのか、関係者に聞いた。

 象徴的なのは先々週。男子ツアーでも1、2の注目度を誇る日本オープンよりも、女子の富士通レディースのTV視聴率(ビデオリサーチ調べ、いずれも関東地区の最終日)のほうが高かったのだ。後者にすれば、相手はゴルファー日本一を決める大会で、生中継。しかも、深堀の大逆転という手に汗握る試合展開でもあった。一般的には、及ばなくて当然の感があるが、今年はひっくり返ったのだ。

 この2試合が同週に開催され始めて今年で4年目になるが、「同じ日の中継で上回ったのは今回が初めてです」(富士通レディースを放送したテレビ朝日の斉藤保志プロデューサー)

 そもそも日本オープンが、同じ週に開催の女子ツアーより最終日の視聴率が下回ったのは、92年のTaKaRaインビテーショナル以来のこと。

 この“逆転劇”を受けて、日本女子プロゴルフ協会広報担当の鈴木美恵子プロは「とにかく、うれしいのひと言です」と明るい声。ただし、この現状に満足せず、「こうやって男子と人気を競り合うことで、ゴルフ界全体の注目度が上がり、底辺の拡大につながることを期待したいですね」と続ける。

 実際、このところ女子ツアーのTV視聴率の好調ぶりが目を引く。男女ツアーの最終日が日曜午後に、いわばチャンネルの裏表で中継された週が先々週まで15回。そのうち半分近い7回で、女子が男子を凌駕しているのだ。

 とくに、8月以降はその傾向が顕著で、ヨネックスレディス(8月31日最終日)以降、同様の条件の週が7回あったうち、なんと5回まで、男子を上回る視聴率を挙げている。もちろんこうした事態は、昨年まで見られなかった。

 もっとも数字自体はバブル期に比べ、まだまだ低いが、人気の背景について、前出の斉藤氏は「コアなファンは別として、普通のファンには、不動さんという絶対的な軸がいることで、観戦のポイントがわかりやすいのでは」と分析。どんな競技でも横綱格がいて優勝争いの本命となって展開するゲームはわかりやすく、応援もしやすい。

「そうしたファンが、今週、不動はどうだろうとチャンネルを合わせると、そこに古閑さんらフレッシュな若手や、可愛い容貌の選手がいたりで、次第にツアー全体に興味を持つようになったのでは……」(斉藤氏)

 それに輪をかけたのが、言うまでもなく「宮里藍効果」だ。その効果は、本人が出場していないのに視聴者の目をツアーに向けさせるほどの吸引力があるようだという。

 こうして女子ツアーに押され気味の男子だが、日本ゴルフツアー機構では「視聴率のことはずっと気にしてました。確かに女子の伸びは大きいですが、実は男子も昨年よりはアップしているんです。男子でも今年は若い選手が台頭していますし、それを迎え撃つジャンボさんはじめベテラン勢との戦いは面白く、最近は新聞のスペースも昨年より増えているんです」と焦りはない。

 だが、TV中継の製作スタッフに近い大会運営関係者は「TV局の人からは、以前のジャンボのようなスターを待望する声が強く聞かれます。ところが、その候補が現れては消えの連続で、今は次が見えませんからね」と男子の不振を指摘する。不動が引っ張る女子のような展開になるのは、まだしばらく先のことなのかも。

 男子がスター不在に苦しむのを尻目に、11月中旬には宮里藍が伊藤園レディスでプロデビューする。そのTV中継も担当する斉藤氏は「ゲーム展開にもよりますが、追い風に乗って今季最高の視聴率を目指します

「鬼に金棒」ならぬ、“不動に藍”で今季未到の2ケタ台の予感がする。

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