ゴルフダイジェスト出版案内> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/18号
2003年更新
まだレギュラーで現役バリバリの飯合と
尾崎健夫が1次予選から米シニアに挑戦
 来る11月4日~7日から始まる米チャンピオンズツアー(以下シニアツアー)の1次予選が話題を呼んでいる。今年は飯合肇と尾崎健夫という、いわばレギュラーツアーでも現役バリバリの選手が挑戦するからだ。

 飯合は3月12日、尾崎健夫は1月9日でともに1954年生まれの現在49歳。来年50歳の誕生日を迎えた時点でシニアツアー出場の有資格者となるため、今回、まだ50歳前でも予選会に出場できるというわけだ。

 米シニアツアー参戦の動機だが、飯合の場合は「30年、日本ツアーでやってきて、そろそろ違うフィールドでやってみたいという気持ちが芽生えてきた。一回でも米ツアーの舞台に立ったことがある者ならその魅力に惹きつけられるもの。94年にマスターズにも出場したときの印象も強く残っており、あのときのように念じれば通ずるという思いで今回Qスクールを受験する気持ちになった」(飯合)と、いたってポジティブ。

 一方の健夫の場合は、81~82年に米レギュラーツアー参戦の経験があり、その点もモチベーションにあると思われたが、「全体的な流れで行かざるを得ない状況にあったから行くというだけ、まあ順番で押しだされたという感じかな。とくに若い頃の米ツアー挑戦の思い出が強かったとか、そういうものはない」(健夫)と、本心かどうかは別として、その受け応えを聞く限りでは、不承不承の受験という感じだ。

 今回、2人が話題となっているのは日本のレギュラーツアーの賞金シード権を持ちながら米シニアツアーへの参戦を希望している点だが、「とくに今後レギュラーでやっていく自信がないからということではない。マル(丸山茂樹)たちがタイガーとレギュラーツアーで闘いたいと思うのと同じ気持ちで、シニアでT・ワトソンら僕らの時代のスーパースターと一緒にプレーする喜びを感じたいということ」と飯合。一方、健夫のほうは「とくに米シニアツアーに対する憧れとかはない」と、飯合と比べると温度差がある。

 この2人の温度差は、今年の日本ツアーの成績の差と比例しており、今年の飯合は(ブリヂストンオープン終了時)賞金ランク56位であるのに対し、健夫は104位と振るわない。

「今年はとくに調子が悪いからあまり大きなことが言えない。上り調子で臨みたいが、体のほうも手首痛があるし」とジェットからは威勢の良い言葉が出て来ない。

 飯合は「自分としてはここ数年は十分に戦えていないという感じ。本当は今年日本で1勝してから米シニアの予選に行く予定だったんだけど。もちろん日本のレギュラーでダメだから向こうへ行くという考えは全くない」と日本の賞金シードを獲るだけでは満足しないという前向きな姿勢が伺える。

 ここ数年、日本人選手の海外シニアツアー参戦が目立つが、レギュラーツアーでも第一線級の選手が即、米シニアツアーに行ったのは青木功以来のことだけに2人にかかる期待も大きいが、「それなりにプレッシャーもかかるし、下手なことできないという気持ちはある」と決意を語る飯合。一方「今の自分の調子では通るとは思えない」とあくまで弱気な健夫。

 ネガティブなコメントばかりが目立つが、健夫は現在、日本のレギュラーツアーの記録でもドライバー平均飛距離は295.81ヤードで7位。飯合のほうも289.84ヤードで18位。2人のこの記録は今年の米シニアツアーに当てはめると、建夫は3位、飯合は4位になる。この点については、「飛距離のアドバンテージはあると思う。でもゴルフはそれだけじゃないからな。まあやってみなければわからない」と健夫。一方の飯合も「飛距離のアドバンテージは確かにあるけど、自分としてはゴルフの総合力で勝負したい」と同意見。だが、この2人が並み居る外国人選手を押しのけドライビングディスタンスの上位に名を連ねるとしたら、それはそれで楽しみではある。

 ちなみに、1次予選に合格したら11月18~21日の最終予選に進み、そこで最終的にわずか7人が来季のフルシードを得ることになるが、もしそうなった場合、日本のツアーとの兼ね合いはどうするのか?

「もし通れば最低でも2年は行きっ放しでその間に何とか結果を出したい。日本のレギュラーツアーは権利のあるものを選んで、ギャラリーサービスために出場したい」と飯合。健夫は「それは合格したときに考える」との答えだった。

 今年はこの2人の他に、日本のシニアツアー賞金王の高橋勝成が米・欧2つのシニアツアーの最終予選に挑戦するなど、日本のシニアツアーの冷え込みを背景に海外志向は強まる一方だ。今回、飯合、健夫が合格し、活躍すれば、いよいよ御大ジャンボが参戦、米シニアツアーでジャンボ軍団結成が見られたりして……、初夢はちと早い!?

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト
ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です