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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/18号
2003年更新
日本発の複合素材ドライバー、米国にも
飛び火か? ミズノなど続々米市場へ進出
 プロギアのDuoシリーズに始まった、複合素材ヘッドドライバー・ブーム。日本では、先日のブリヂストンスポーツ・シナジーの発売で、この分野での競争がますます激化してきたが、10月末からいよいよアメリカでも複合ヘッドドライバーが市場に本格投入される。

 米・ゴルフウィーク誌でも、「今後のドライバーのトレンドは、チタンとカーボンのコンポジットヘッドになるだろう。ミズノ、ヨネックス、キャロウェイの3社が先行するが、他社が追随することは間違いない」と、日本と同様の複合ヘッド・ブームの到来を予想している。

 USGAのテクニカルディレクターのD・ラギー氏も「最近では日本の用品ショーのほうが、見るべきものがたくさんあって興味深い」と語るように、ここ10年来、チタンドライバー、大型ヘッドドライバーなど、日本でのトレンドがアメリカにも飛び火する傾向が顕著だが、今後もこの流れが続くのかどうか注目されるところだ。

 具体的には、10月末にまずミズノが日米スタッフの共同開発による「MP-001」を投入した。日本国内主力モデルのインテージはマグネシウム合金とチタンの複合ヘッドだが、こちらはカーボンとチタンのコンポジットで、開発コンセプトは「機能性だけでなく、ソリッドな打感、打球音を含め、ゴルファーの感性に訴える商品を目指した。基本的に上級者が対象のモデルとなります」(ミズノ広報)と、国内向けのインテージの戦略とは少し方向性が違うようだ。海外では“アイアンブランド”のイメージを確立しているミズノだが「MP-001」はそのミズノが初めて本格投入するドライバーとの受け取られ方をしているようで、アメリカでの注目度も高い。現時点で「ショップの受注状況は好調との報告を受けている」(同社広報)そうで、日本市場におけるプロギアDuoのような、牽引役となる可能性が高そうだ。

 そのプロギアはというと、「現在は韓国、台湾をはじめアジア市場の拡大に力を入れている。米国にはまだ代理店がなく、販売ルートが確立されていない」(プロギア広報)とのことで、Duoの米国市場投入予定は今のところない。

「DuoシリーズはアメリカのCOR値規制の範囲を超えていますが、低反発使用モデルを現地でプロに配っていますし、商品の準備はできています。今後、複合素材が世界的なブームとなれば、当然本格参入ということになるでしょう」(同社広報)と、当面は様子見の構えだ。

 対して、10年以上前にはオールカーボンヘッドのドライバーで市場を席巻、カーボン素材の加工技術には定評のあるヨネックスは「米国も複合素材ヘッドへの流れは確実に来る」(ヨネックス広報)という予測のもと、日本でも販売中のパワーブリッド・ドライバーを10月末から本格的に店頭に並べた。

「日本では後発となりましたが、当社のマシンテストでは他社製品より、カーボン部分のたわみ率、打ち出し角、トータル飛距離で高い結果を得ています。米国市場でも十分に認められる性能だと自負しています」(同社広報)と自信を覗かせる。

 さらに、カーボンコンポジットドライバー・フュージョンの日本発売時期を早めたキャロウェイだが、米国での発売は当初予定通り来年1月の見込み。また、アクシネット傘下のコブラも来年春の発売に向け、クラウン部にカーボンを採用したドライバーを準備している。

 気になる価格はというと、前出の米・ゴルフウィーク誌によれば、ミズノ「MP-001」は定価499ドルで、店頭価格は399ドル、ヨネックス「パワーブリッド」が定価550ドルで、店頭価格459ドル、キャロウェイ「フュージョン」は定価625ドル、店頭では499ドルと各社まちまち。だが、米国市場を意識して、総じて安く設定している。日本のゴルファーより財布の紐が固いといわれる米国で、価格にも各社の思惑が垣間見える

 ドライバーは世界的に複合ヘッドの時代に突入するのか? 未だ複合ヘッドを発表していないダンロップ、テーラーメイドなどの主要メーカーにとっても、今後の米国市場の動きから目が離せない状況だ。

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