ゴルフダイジェスト出版案内> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/2号
2003年更新
アメリカのメンバー制ゴルフ場では
会員獲得のため入会金値下げの傾向に
 日本のゴルフ会員権市場は、底値感が出て、やや活発になってきたようだが、海の向こうアメリカでは、逆にゴルフ場の入会金が大幅に下落している。

 これは、米ゴルフダイジェスト誌11月号が伝えたものだが、中には、入会金を無料にするゴルフ場まで現れ、その下落率の大きさに、ゴルファーたちから驚きの声が上がっている。

 たとえば、ノースカロライナ州のディアブルックGCでは、昨年までの入会金が4000ドルだったのが今年は無料に。ニューヨーク州のオンタリオGCでも、4500ドルの入会金が無料になり、月300ドルの会費を支払えば誰でも入会できることになったという。また、高額コースでも、フロリダのクエールクリークCCでは、今年の初めには8万5000ドルだった入会金が、今では3万5000ドルにまで値下がりしている。

 一般にアメリカの会員制コースの場合、入会金は無料のところから35万ドル前後までと、まさにピンキリだが、日本の預託金制会員制度とは異なり、基本的には払い捨て。中には、株式会員制の株券を売買するところもある一方、超名門コースなどでは、入会するためのウェイティングリストの順番を売り買いするところもあると聞く。しかし、大半のプライベートコースでは、お金の面だけに関して言えば、必要なのは入会金だけで、後は年会費を支払えば、メンバーライフが送れる。そうした意味では、日本の会員権が値下がりしたとはいえ、日本よりはお金をかけずにメンバーになれるところが多い。ところが、こと年会費となると、平均的なコースでは3000ドルから1万5000ドルと高額な上に、クラブハウスのレストランなどで、年間一定額(約600ドル~2500ドル)の消費が義務付けられているところが少なくない。

 つまり、メンバーであり続けることが大変なのだ。基本的には、メンバーになれば、日本のコースのようにプレー代がかからず無料でプレーできるところがほとんどだから、毎日のようにプレーをするゴルファーにとっては、安上がりと言えるのかもしれない。しかし、クラブのほうはおもに会員の年会費でゴルフ場運営をまかなうために、年会費を高額に設定せざる得なくなる。そして、メンバー数を保つためにも、入会金を値下げしてでも、メンバーを確保しようというところが増えるというわけだ。

 ナショナル・ゴルフ・ファンデーション(NGF)によれば、今年の上半期には、ゴルフコース当たりの延べラウンド数が2.9パーセント減少しているのに対し、ゴルフ場の開場数は今年も200コースを超える勢いだという。「とくに98年から00年にかけて1100カ所がオープンしたが、これはアメリカのゴルフ場数の7パーセントに当たり、かなりの過剰供給となっている」(J・トンプソン・NGF広報部長)という事情に加え、その後、不況で銀行金利が下がり、住宅ブームが起こり、ゴルフ場の隣接地を住宅として販売するために、ゴルフ場の建設が増えるという変な現象まで起こってしまったのだ。

 そういった事情が、メンバーの獲得合戦に拍車をかけ、ユニバーシティクラブ・オブ・ケンタッキーというゴルフ場などでは、こうした入会金の値下げに対して、既存のメンバーがクラブ側を相手取って裁判を起こすなど、社会問題にまで発展しているところもあるとか。

 日本とは異なり、会員権や入会金の相場などが公表されることのないアメリカ。それだけに、こうした入会金の値下がりは、これまで、ほとんど外に知られることがなかったが、ここまで下がると、一種の社会現象として看過できないところまできているのかもしれない。いずれにしても、熱心なゴルファーにとっては、安く入会できて、うれしいニュースということになるのだろうが……。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト
ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です