週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
試合数の内訳は、全シード選手が出られる試合が24試合で、出場制限のある試合が8試合、それに後援競技が1試合となっている。今年の日程と見比べてみると、1月のスキンズゲームがなくなり、開幕は3月からとなるが、5月にフランクリン・アメリカン・モーゲージ選手権が増え、試合数は、隔年開催の米欧対抗戦のソルハイムカップを除けば、今年と同数。11月、日本で行われるミズノクラシックの去就が定かではないが、「詰めの最終段階にあるが、発表できるまで至らなかった」(T・ボートウ、LPGAコミッショナー)とし、何らかの試合が開催されるようで、実質的な試合数の増減はない模様だ。 その一方で、「ミケロブ・ウルトラ・オープンは、賞金総額220万ドルと、LPGA史上過去最高の60万ドルの賞金アップを実現させて、全米女子オープンに次ぐ賞金額となっている。これを含め、ツアー全体では400万ドルを超える賞金アップ」(ボートウ氏)と賞金額は約1割アップ。経済不況の中で、男子ツアーがいまだに賞金総額を発表できないでいることを考えれば上出来といえる。 今年はA・ソレンスタムの男子ツアー挑戦やジュニアのM・ウィの活躍、あるいは韓国勢の躍進など、何かと女子ゴルフが注目されたが、そうした人気を背景に、来年の日程発表ができたといえる。あるいは、男子ツアーの賞金が、過去数年間で大幅アップしたため、コストパフォーマンスの観点でスポンサーたちから、LPGAが見直されてきたのかもしれない。 こうした評価の背景には、「昨年に比べ、ギャラリー数はトータルで8パーセント、テレビ視聴率は13パーセントそれぞれ増加している。とくに25歳から54歳という年齢層に限れば、なんと視聴率は33パーセントもアップしている。さらに、LPGAのホームページのアクセス数も50パーセントアップ。この7月には、過去最高の1カ月で1000万ページビューが記録された」(ボートウ氏)といった数字も出ている。 鼻息が荒い割には、試合数の現状維持とは、情けない気もしないではないが、人気が出たからと言って、それがすぐに試合数増加や賞金アップに結びつくわけではないのも事実。再来年には大幅なアップになるのだろうか。それにしても、日本でも今年は女子ツアーの人気が男子ツアーのそれを圧倒した感が強い。先述した女子選手の男子ツアー参加も増え、ゴルフ界は女性上位の世界になりつつある?