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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/6・13号
2004年更新
前年はゼロの日本人ツアー初V者が
03年は6人、伊沢が薄氷の賞金王
 03年の国内男子ツアーは、開幕戦でアンドレ・ストルツ(豪)が日本初優勝を飾り、最終戦では平塚哲二が念願のツアー初優勝を果たしたことに象徴されるように“新人”の活躍が目立った。一方、賞金王になった伊沢の賞金額は約1億3545万円。91年に尾崎直道が約1億1950万円で1位になって以来の低額賞金王だった。

 02年は6人の国内ツアー初優勝者が出たが、なぜか全員外国人だったのに対し、03年の初優勝者9人のうち6人が日本人選手と、その意味では国内ツアーの将来に明るい兆しを見せたシーズンだったといえる。

 5月の中日クラウンズで優勝した星野英正は“期待の大物新人”としてデビューして4年。00年はスポンサー推薦で8試合に出場したが目立った成績を挙げられず、賞金ランク141位、01年も74位と惜しいところでシードを逃す。02年にやっと52位でシード入りを果たしたが、アマチュア時代の輝かしい戦歴とのギャップが取り沙汰された。その重圧と闘う日々だったが、「1勝できれば、2勝目、3勝目もすぐにできる気がする」と肩の荷を下ろす優勝でもあった。

 星野の優勝に刺激された東北福祉大の後輩、谷原秀人が6月のよみうりオープンで優勝。「先輩の星野さんに続けて嬉しい」という谷原は実質ツアー参戦2年目のスピード優勝で、年末には新人賞の“島田トロフィー”を獲得した。

 8月のKBCオーガスタでは田島創志が優勝。プロ4年目、03シーズンはQT順位2位の資格で参戦していた田島は、スウィング改造中でもあり「今年はとりあえずシード入り」を目標にしていたが、調子が上向いて来たため「初優勝」に目標を切り換えての快挙だった。

 10月の東海クラシックで優勝した川原希は、94年からツアーに参戦しているが、97年まで獲得賞金0円が続いた苦労人。00年にシード入り果たすも、02年までの3年間にベスト10入りが僅かに5回と苦しいシード権維持を強いられていた。優勝インタビューで「少しでも多くの情報を集めたい」と2歳10カ月になる長男、佑介ちゃんが自閉症であることを公表し、多くの反響を集めた。

 11月のカシオワールドで優勝した今井克宗は、99年にプロ資格を持たないままファイナルQTに進出。42位の順位で00年のツアーに参戦し、シードを獲得。PGA会員資格を持たないシード選手第1号(日本人として)となったが、今回の優勝もまた、その第1号となった。

 伊沢と片山晋呉の賞金王争いが焦点となった日本シリーズで、ツアー初優勝を飾ったのは“万年2位”と言われてきた平塚哲二だ。98年からツアーに参戦、00年に53位で初シードを獲得。以後、01年は32位。02年は28位と着実に力をつけ、03年は日本シリーズを前に賞金ランク4位となり、年間優勝者と賞金ランク25位までしか出場できない同大会の初出場を果たした。日本シリーズでツアー初優勝を挙げたのも初の快挙だ。

 初優勝には手が届かなかったものの、期待の新人、宮里優作がスポンサー推薦などで12試合に出場、JCBクラシック仙台の2位で1000万円を獲得したのが効いて、通算1897万円を獲得、賞金ランク54位でシード入りを果たした。99年にQT制度が確立して以来、QTを受けずシード入りした初の選手となった。

 03年は、星野、谷原、宮里、そして賞金ランク67位で初シード入りした谷口拓也と、いよいよ東北福祉大出身者の活躍が本格化し、今後への大ブレークの兆し見せた年でもあった。同大学が96年に星野を加えて、一躍“全国区”にのし上がり、全日本大学対抗選手権での日大の26連覇を阻止したが、その力がいよいよプロで活躍する世代として育ってきたということだろう。04年は、その筆頭ともいえる宮里がどこまで活躍するかが大きな見所でもある。

 また、スウィング改造中で、「賞金王はまったく意識していなかった」と、年間2勝で王座についたことに不満を残す伊沢は「できれば、3勝、4勝ぐらいで賞金王になりたい」と戦闘モードを予告する発言でシーズンを終えただけに、その戦いぶりからは目が離せない。

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