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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/6・13号
2004年更新
賞金王逃すもMVP獲得のウッズ
トップ10の選手との実力差縮まる
 過去5年、T・ウッズを軸に米ツアーは動いていてきたが、そのウッズ、03年は賞金王を逃した上、99年以来、年間最低1勝してきたメジャーで勝てなかった。そればかりか、4名のメジャー初優勝者を出すといった異例の展開になった。

 異例といえば、03年は8名の複数試合勝利者を出す一方、40歳以上の優勝が15試合を数えた。02年に18名を数えた初優勝者も03年は激減、3分の1の6名のみ。米ツアーで、何かが変わってきていることは、間違いがないようだ。

 しかし、昨年末のひざの手術以来、少なくともメジャーでは精彩を欠いたウッズだったが、数字的には決して悪くなかった。年間の平均ストローク数は、02年の68.56から68.41へとわずかだが良くなっているし、ドライバーの飛距離も299.5ヤードと、前年より6.5ヤードアップ、平均パット数も前年より良くなっている。もちろん年間メジャー3勝の00年には及ばないが、王座転落というほどの内容ではない。

 ならばなぜこうした事態が起きたかというと、ベテランのトップグループのレベルが上がり、ウッズとの差が縮小しているためだとの見方がある。平均ストローク数を競うバードントロフィは今年もウッズが獲得したが、賞金王になったV・シンは68.65、M・ウィアが68.97、E・エルスは68.99と僅差でウッズを追っている。タイガーが、出現する以前は、この数字なら必ずトップになっていた(例えば99年はD・デュバルは69.13で1位)ことを考えれば、いかにトップグループがレベルアップしているかわかるだろう。その結果、年間49試合中、賞金ランクのトップ10の選手だけで26勝を挙げ、その影響で初優勝者の数が少なくなったのだ。

 ただし、このトップ10の平均年齢は34.8歳と、02年の31.9歳から3歳近くも上がっている。シンも40歳になり、今季3勝のD・ラブ、K・ペリーは、それぞれ39歳と43歳。それだけに、ベテラントップグループの台頭がいつまで続くかは疑問だろう。一方、タイガーにしても、先ごろ発表された婚約のニュースが、メンタル面でどのように影響するのか。04年は、脂がのる30台半ばの、エルスや、ウィア、J・フューリック、そして今年前半は不調に泣きながら終盤に3年連続の米ツアー優勝を果たした丸山茂樹の活躍に期待したいところだ。

女子、シニア、欧州も米男子ツアー中心に動く

 また、米女子ツアー、シニアツアー、欧州ツアーも、ある意味では、米男子ツアーを中心にして動いた年といって過言ではない。というのもこの3ツアーの賞金王、A・ソレンスタム、T・ワトソン、E・エルスの3人が皆、米男子レギュラーツアーで話題を集めたからだ。

 なんといっても、03年の女子ゴルフの最大の話題は、A・ソレンスタムの男子ツアー(バンクオブアメリカ・コロニアル)挑戦だろう。加えて、ミッシェル・ウィーの男子カナディアンツアーの挑戦、S・グスタフソンの日本男子ツアーのカシアワールド挑戦といった話もあったが、とにかく、このコロニアルでの挑戦で、女子選手が注目されたことは間違いない。

 女子ツアー自体はといえば、ソレンスタムは、この男子ツアー挑戦などで女子ツアーでの試合数を減らし、賞金女王の座を3年連続確保したものの、平均ストローク数では、規定ラウンド数が足りずに、パク・セリにトップの座を譲ってしまった。これに象徴されるように、03年は人気、実力ともに頂点のソレンスタムは変らないものの、20代前半を中心とする若い韓国勢が大暴れ。米国人選手の不調もあって、韓国人選手に対するバッシングも問題になるほどだった。04年は、福嶋晃子に続き、東尾理子がフル参戦する。同じアジア勢でも、韓国人選手ばかりでなく、日本人選手の活躍にも期待したい。

 シニアツアーも、欧州ツアーも、人気が今ひとつパッとしないが、そんな中、シニアの賞金王になったT・ワトソンは、レギュラツアーの全米オープンなどでも活躍。また、C・スタドラーも、同一年にシニアとレギュラーツアーで優勝するなど、シニアとレギュラーツアーの実力差接近が目立った。04年は、日本のレギュラーツアーで賞金シード選手でもある飯合肇が米シニアツアーに挑戦する米シニアでは青木功に次ぐ日本人優勝者となるのか。

 一方、欧州ツアーのエルスも米ツアーの初戦、第2戦と連勝して話題を呼び、その後、メジャーでの賞金も加え、欧州ツアーの賞金王に輝いた。WGCやメジャーの高額賞金が欧州ツアーの成績に加算されるため、今後もメジャーを中心とした米ツアーで活躍した選手が、欧州ツアーの賞金王となる可能性は高い。総じて、全ツアーがレベルアップをしているようだ。

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