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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/6・13号
2004年更新
フルチタン一色から多様化時代へ
複合素材ヘッドは主流となるか?
 ゴルフ用品界にとって03年は歴史の大きな転換点といえそうだ。言うまでもなく、ドライバーの複合素材ヘッドが登場したことで、長く続いたフルチタン一極の時代が終焉。今後、様々な面で多様化の時代を迎える元年だったのかもしれない。

 複合素材ヘッドの先鞭をつけたのが、03年1月に発売されたプロギアのデュオだった。「飛びの性能に関しては自信がありましたから、市場で歓迎されることは予想していましたが、それ以上の売行きになりました。初年度の売上げ目標はすぐに上方修正しています」(プロギア広報担当者)

 このヒットで、4月には設計コンセプトは異なるものの、ミズノが同様のドライバーを発売。以降、ヨネックス、ブリヂストン、キャロウェイと続き、04年はさらにテーラーメイド(1月)とウイルソン(3月)からも発売予定だ。だが、フルチタンから複合素材へと完全にシフトするわけではない。ここ数年、市場をリードしてきたダンロップのゼクシオは04年1月発売の3代目もフルチタンだ。ならば今後は「フルチタンVS複合素材」といった図式を考えがちだが、業界に詳しい片山哲郎氏は違った見方をする。

「メタル時代から一貫して追求されてきた“長・軽・大”の開発コンセプトから解放されたということであり、その結果、今後はあらゆる面で多様化が進化すると思います」

 同氏によれば、メタルからチタンに至る時代はどのメーカーも、いかに「シャフトを長く」「ヘッドを軽く」「ヘッドを大きく(スウィートエリアを広く)」して飛距離を伸ばすかを基本コンセプトに開発してきた。だが、複合素材を誕生させた開発コンセプトは、例えばミズノは低スピン量と高弾道性能の追求であり、ブリヂストンはたわむヘッドにマッチしたボールの組み合わせによる飛距離アップ。プロギアのデュオも、当初は複合ヘッドによる“たわみ効果”の追求だったのが、6月以降は打感や音の改良という、新たな開発コンセプトが加わっているという。

 一方、ニューゼクシオに代表されるフルチタン陣営でも、フェースではなくヘッド全体のたわみを利用する設計もあれば、ヤマハのニューインプレスは0.870以上という反発係数を実現させたとアピールするように、各社の開発コンセプトが多様化、同じ土俵で戦っていない混沌とした状態なのが今の用品業界である。

 この状況に変化が起こるとすれば、きっかけはやはりニューゼクシオの動きだろう。予想以上に売れても、売れなくても、他社の開発コンセプトやマーケティング戦略に大きな影響を与えることは間違いない。

 ところで、04年からはルール改訂で、シャフトの長さ48インチ以下、ヘッド体積470cc以下の規制が実施される。すでに500ccのヘッドを開発していたホンマゴルフは「ルールはルールですから、規制に則した開発を真摯に続けます。ただし、一般ゴルファーの中には、競技ゴルフとは別に大きなヘッドで気楽に楽しみたいといわれる方もいるようです。そうした方から要望があれば、今後も供給していきたい」(広報部)として、違反クラブの廃棄までは考えていないようだ。

 クラブ以外でコース上を賑わしたモノでは、リフトティの普及に加え、パターのカラーグリップや、マグネットのボールマーカーなど小物ばかりが目立ったが、そんな中、人気ブランド「ミエコウエサコ」の民事再生申請は衝撃的だった。

 さて、04年は今の多様化が一層進むのか、それとも……。

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