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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/6・13号
2004年更新
倒産後外資系コースが大幅増加
中間法人導入も、その意図は様々
 03年も民事再生、会社更生など、法的整理を行うゴルフ場が相次いだ。まず2月17日には国内11コースを展開するSTT開発が負債総額約3131億円を抱え民事再生申請。翌日には、国内28コースを展開する日本ゴルフ振興が約3322億円の負債を抱え、RCC(整理回収機構)とともに民事再生法を申請した。8月には国内20コースを展開する緑営グループ4社が、負債総額約3111億円を抱え民事再生法申請……など大手グループの経営破綻が目立った年でもあった。

 だが、法的整理に対する市場の対応は極めて冷静になりつつある。一部マスコミが大騒ぎする「ゴルフ場倒産時代」は、97年暮れの日東興業の和議申請に始まるが、同社に匹敵する負債総額(日東興業グループで約3454億円)でも、もはや社会問題化することもない。日常茶飯事化した法的整理への慣れもあるが、預託金制の破綻が明らかになった以上、法的整理は「倒産ではなく再建」との意識へと変わりつつあるようだ。

 さて、再建計画で多いのは新スポンサーに委ねるものだが、外資がスポンサーとなる再建により拍車がかかったのが03年だったといえる。冒頭に挙げた例のうち、日本ゴルフ振興はローンスター、緑営グループはゴールドマン・サックス(以下GS)による再建が決まっている。両グループともに系列のゴルフ場運営会社を有しているが、ローンスター系のパシフィックゴルフマネジメント(以下PGM)は現在国内に34コース。これにすでにスポンサーにほぼ決定しているスポーツ振興系列26コース、緑営グループの19コースを加えると79コースに。GS系のアコーディアゴルフも、日東興業系を中心に32コースを展開、日本ゴルフ振興などすでにスポンサーに内定したものを合わせると、実に78コース。いずれも国内最大規模のゴルフ場運営会社に躍り出そうな勢いだ。

 外資の日本進出については、長く脅威と不安で語られることが多かったが、実際、運営が始まると評価も変わりつつある。たとえば03年の日本プロ開催コースとなったPGM系列の美浦GC(茨城)は、200万円(入会金90万円、預託金110万円)、年会費12万円で限定100名の募集を行ったが、わずか4カ月弱で定員を集めた。また、アコーディア系列のノーザンCC錦ケ原ゴルフ場では、プロショップの売り上げは実に昨年の3倍以上とか。スケールメリットを活かし、ボールや手袋など、量販店よりも安い商品の価格設定で、プレーをしないゴルファーがわざわざ買いに訪れる現象まで生み出した。

 いずれも前年比に比べ入場者数も増えており、ゴルファーの潜在需要の掘り起こしに成功した。両社とも「2~3年後に100コース」を明言、今後日本のゴルフ界に大きな影響を与えることは間違いない。

 中間法人制を導入したゴルフ場が増えたのも03年だった。法的整理をしたゴルフ場が再建策として活用する例が主流だが、たとえば富里GC、カレドニアンGC(ともに千葉)を経営する東京グリーンは、預託金対策として中間法人による間接株主制を採用。また、東京国際CCは、クラブがそのまま中間法人となった初のケースだ。前経営者の乱脈経営に悩まされてきた会員が、理事会改革を施し、年会費の管理、入会審査など多くの権限を獲得した後、より法的な立場を明確にし、会員の権利を守るために中間法人化に踏み切った。法的整理、また預託金対策のスキームとしてばかり注目される中間法人だが、会員の総意である理事会が主導して法人化した初の例だけに、今後、会員とクラブの関係に大きな示唆を与えそうだ。

 さて03年、バブル崩壊後の初の現象として、例年、弱含みで展開する夏に会員権相場が上昇基調に転じた。夏と並び、税金対策のため、年末も下落基調になるものだが、03年は横ばいを示すなど、会員権市場にも一条の光が差し込めてきたと見る向きもある。企業のリストラが進み、不要会員権も出尽くし、そこに来てプレー重視の個人需要、買い替え需要が高まってきていることなどが挙げられている。04年に向け、業界にとっても明るい話題である。

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