週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
昨年2月に民事再生法を申請して以来、名義変更を停止していた大手ゴルフ場グループの日本ゴルフ振興(国内28コース)だが、8月1日に名変再開した際、2カ月間限定で各コースの名変料を大幅に下げた。 たとえば、都心から近い東名厚木CC(神奈川)では、それまでの70万円から一気に10万円に。そして、その間、あまりにも書換え件数が多いこともあり、一時、名変を停止、その後10月20日から2カ月間、今度は5万円アップの15万円で再開した。 「期間限定で名変料を下げた4カ月間のトータルで、600件ほどの名義書換がありました。通常の3倍程度ですね。予想以上の効果に驚いています」(同社総務部) 同グループの中央都留CC(山梨)との共通会員も合わせての数字ではあるが、4カ月で600件とはなんとも驚きだ。そもそもこの大幅な名変料の値下げをした背景には、スリーピング会員を減らし、アクティブな会員を増やすことによって、入場者数を増やすという狙いがあった。 さらに、同社では「名変料を大幅に下げることによって一般ゴルファーの方に買いやすくする、つまり、債権者である会員の方にお金を返せない分、売りやすくし、さらに少しでも相場が上がれば、ということで決定しました」(前出・総務部)と民事再生した会社ならではの事情もあるという。 また、一昨年2月に会社更生となった大手のスポーツ振興グループも、昨年9月に名変再開した際に、やはり大幅に名変料を値下げしている。コースによっても異なるが、こちらは約半額の値下げ。たとえば大厚木CC(神奈川)は120万円だった名変料を60万円に下げた。 さらに一昨年10月に民事再生となったSTTグループでも、昨年の11月からの名変再開の際、各コースの名変料を半額に値下げするなど、外資系会社がスポンサーになった大手ゴルフ場グループは、法的整理後の名変再開時に、軒並み名変料を下げるという流れが定着したようだ。 この背景を、都内のある会員権業者はつぎのように語る。 「たしかに法的整理で預託金をカットした所では、少しでも会員が売りやすいようにとの配慮で、名変料値下げが行われる場合が多いのは事実。しかし、中には人気があってメンバーの稼動率が高いコースなどは、民事再生後に逆に名変料を値上げして、アクティブな会員が増えるのを防ぎ、単価の高いビジター比率を高めようとする所もある。結局、会員のためもあるだろうが、いいか悪いかは別にして、ホンネの部分では、売上げを第一に考える外資のドライな運営方針の一面にすぎないのでは」 事情はどうあれ、こういった外資系のコース以外にも、昨年11月以降で東都グループの4コース、桜GC、越生GC、鹿沼CC、鹿沼72CC等々、名変料の値下げラッシュは続いている。これまで会員権購入のネックになっていた名変料の値下げは、これから購入を考えているゴルファーにとっては歓迎されることは間違いない。