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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。 内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。 |
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週刊ゴルフダイジェスト 1/27号 |
2004年更新 |
民事再生中のレインボーヒルズGCでは
最近増えてきた“会員による自主再建”
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民事再生中のレインボーヒルズゴルフクラブ(宮城)で、会員が設立した新会社が受け皿となる再生計画案が、昨年の12月18日、可決承認された。「素人経営」との心配がある一方で、ここ数年、会員による自主再建の動きは全国的にもいくつか現れ始めている。
同GCの経営会社、(株)ライフ・サービス(石黒康二社長)が、約104億円の負債を抱えて民事再生法を申請したのは昨年1月のこと。UFJ銀行が約20億円、整理回収機構が約5億円の債権を保有するが、残る債務は会員830名から預かった預託金。他の破綻ゴルフ場に比べ、負債総額も小さく、また過去に女子ツアーを5年続け、集客力も高い人気コースであることを考えると、自主再建もできたのではとの疑問も多かった。
しかし、その背景には、もともと同社が、宮城県の住宅生協を母体にしていたことが関係しているようだ。もともとこれを母体に「労働貴族が慣れないゴルフ場経営に手を出した」(地元事情通氏)ゴルフ場で、行政改革の波も手伝い、営業譲渡の方向に向かったものらしい。
ところが、再生計画案の基幹となる営業譲渡先を巡り、宮城県を二分する争いに発展。まず会員有志は、自主再建実行委員会(石田正彦委員長)を設立、会員主導の道を模索し始めた。一方、3月には、名門・仙台CC青葉山コースを経営する(株)仙台カントリークラブが、営業譲渡先として立候補。譲渡金は14億5000万円。県内の名門コースからの申し込みだけに一件落着するかに見えた。
しかし、その仙台CCからの会員流入の懸念などもあって、自主再建グループは過半数の同意を得、会員有志が出資して、施設の保有会社となる(株)大亀倶楽部(福王進社長、資本金4億2000万円)、運営会社となる(株)レインボーヒルズゴルフクラブ(石田光雄社長・資本金1億4100万円)を設立、譲渡先としての条件を整えた。ちなみに両社の資本金については、中心となって動いた4名の会員が1億円づつを拠出、他に119名の会員から1口100万円の出資を募った。
これを受け、ライフ・サービス社では会員アンケートを実施、わずかながら過半数を得た自主再建派案を再生計画として、12月18日の債権者集会に臨んだ。集会には委任状も含めて716人が参加、人数で57パーセント、債権額で58パーセントが賛成票を投じ、再生計画案が可決された。再生計画案によれば、大亀倶楽部が8億6580万円でライフ・サービス社から施設と営業権の譲渡を受け、預託金については99.5パーセントのカット。残る0.5パーセントを新会社に再預託することで、会員資格の継続が保証されるというもの。従業員は、会員が設立した新会社が雇用を継続することで話し合いがついている。
自主再建実行委員会の委員長で、大亀倶楽部の取締役でもある石田正彦氏は、「本来、自分たちのゴルフ場は自分たちで守るという、メンバーの良識が、再生計画案の可決につながったと思う。素人経営との指摘もあるが、他の事業に比べ、ゴルフ場経営が特別なものだとは我々は考えていない。役員は無報酬だが、役員以外にもメンバーには県内の優れた経営者が多く、これまで以上に素晴らしいゴルフ場を作る自信もある」と話す。
施設、営業権譲渡の資金は、会員有志から募った資本金のほか、金融機関から3億円の融資も取りつけ、また民事再生手続きの終了を待って、320名の追加募集も行っていく予定。
ちなみに、会員の自主再建の例としては、中間法人を活用した岐阜美山CCが、岐阜の財界を中心に1社200万円を募り、買収する形で経営に乗り出した例や、清川CC(神奈川)では、スポンサーに名乗りを挙げた外資のローンスターに対抗して会社更生を申請、会員ひとりあたり150万円の出資を募り、後に中間法人となる守る会がゴルフ場を手にした。さらに、民事再生した石坂GCでも、年会費10年分の前払いという方法で、親会社で民事再生中の大日本土木から、会員がゴルフ場を手にしたという例もある。
一方で、会員がゴルフ場を自分たちで落札しながら、活動の中心人物が使途不明金問題を起こし、現在も逃走中といった大金GC(栃木)のようなケースもあるにはあるが、外資を始めとするスポンサー方式による法的整理、再生スキームが目立つ中、会員による自主再建の動きというのも、ここにきてトレンドになりつつあるようだ。
宮城県の経済界を二分し、誹謗中傷の文書が乱れ飛んだ今回のレインボーヒルズだったが、会員たちがいかに自分たちの手で再建していくか。その挑戦に今後も注目したい。
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