週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
PGAが管理運営するシニアツアー。その今季の規模は、全6試合で賞金総額は2億6000万円。結局、試合数は01年から4年連続、賞金総額は02年から3年連続で同規模にとどまったことになる。 それでもこの規模は、90年代初頭、年間25試合、賞金総額8億円以上にのぼったバブル期とは比較のしようもないが、99年に年間3試合、賞金総額1億3000万円にまで落ち込んだ最悪期からは完全に脱出。 「現行ツアー競技のスポンサーさんからは、いずれも高い評価を得ておりまして、ありがたいことに、スポンサー離れの不安感はほとんど感じずにシーズンを迎えることができました」(石井秀夫・PGAツアー競技管理委員長)。 だが、後援競技と特別協力競技までも含めたシニア競技全体に目を転じると、後援競技のHTBシニアクラシックが今季は新スポンサーの手配がつかず開催未定(現在、獲得に向けて活動中)。そのため昨年度に比べ試合数にして1減、賞金総額でも900万円弱の減少と、規模をやや縮小させている。 この動きは、昨年暮に発表された国内男女ツアーの規模が、ともにバブル崩壊後最低のレベルから脱し、両団体関係者からは「来年以降さらに拡大しそうな手応えを感じています」といった感想が聞かれたのとは、やや対照的。ひとりシニアツアーのみ、回復の足取りが遅れているかのようだ。 「シニア競技に関しては、企業からの問い合わせが増えたというような、復活の兆しはまだ見えていませんね」(寺嶋誠志・PGAシニア部長) ところが、その一方で、確かな胎動も感じているという。 「実は昨年12月の理事会で、PGAが関与していない競技会で、シニア選手が招かれる、いわゆるプライベートなプロアマ競技が増えていることが話題になりまして……。それでシニア選手に対し、どういったプロアマ競技に出ているのか、一度アンケート調査をしてみようということになりました」(寺嶋氏) 調査はこの春にも実施する予定というが、その結果に関し、あるPGA関係者は「シニア選手は、驚くほど多くのプロアマ戦に呼ばれていることがわかるんじゃないですか」と語る。 かつてのゴルフブームの時期、一般ゴルファーにとってはただ憧れの対象だったシニアプレーヤーたちが、いまやプロアマ競技で引っ張りだこの状況なのだそうだ。その背景には、人生のベテランでもあるシニアの選手には、レギュラーツアーの選手とは違い、アマチュアゴルファーに対する気配りなど、独特の魅力があるのだろう。そして、こうしたシニア選手ならではの人気が、現時点では水面下だが、いずれ国内経済が復活した暁にはツアー競技開催につながるものだと期待したい。