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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/3号
2004年更新
つぎのトレンドは「ダブルフェース」構造?
USGAが却下した後、適合となり話題に
「ダブルフェース・ドライバー」---ちょっと聞きなれない、こんなクラブが、意外や今年のトレンドになるのかもしれない?

 来週、開催される米PGA用品ショーには、大手メーカーが続々出展を取りやめていることは先週号で報じたが、となると否応なく中小メーカーの新製品に注目が集まりそうだ。中でも、一体どんなドライバーかと、ショーの前からバイヤーの関心を呼んでいるのが、KZゴルフの「ジェミニ」ドライバーだ。

「このドライバーの将来(の売れ行き)に関しては非常に楽観視している」と語るのは同社のJ・キング社長だが、発表する前から評判を呼んでいるのには訳がある。実は、このドライバー、一見普通の形状だが、ダブルフェースの言葉通り、フェースが2重構造になっており、クラブの内部、つまりフェースの裏側に、もうひとつのフェースが付いているのだ。

 たしかに新機軸だが、弱小メーカーの新製品だけに、これだけでは注目を集めるには至らなかったのかもしれない。実はこのドライバー、米国ゴルフ協会(USGA)からいったんは認定が下りず、違反クラブ扱いとされていた。それが、先ごろUSGAの判断が一転、認定クラブとの通達を行ったため、急に注目を集めることになったのだ。

 簡単にこれまでの経緯を説明するとこうなる。まず、昨年7月に、このジェミニ・ドライバーは、ニクラス・ゴルフが出すもうひとつのダブルフェース・ドライバーとともに、USGAから違反クラブと見なされ、通達が出されている。これを不服として、両メーカーは10月、別々にUSGAに赴き、理事会のメンバーに異議申し立てを行っているのだ。そして、それが珍しく認められ、両メーカーのドライバーが、ともに先ごろ認定を受けたというわけだ。

 USGAのテクニカルディレクターのディック・ラギー氏によれば、2重構造のドライバーでは、内側のフェースが、表面にあるフェースの動きを抑えるために、スプリング効果の測定が正確にできない可能性があり、そのために当初は違反クラブとしたが、今年から正式に導入された振り子式測定器では「基準内の結果で、問題はなかった」としている。ある意味、スプリング効果に対するテスト方式が変わったために、認定されたというわけなのだ。

 KZゴルフでは、ヘッドスピードが遅いプレーヤーでも、飛ばすことができるドライバーだとPRしているが、PGAショーを直前に控えたタイミングの良さもあって、「USGAが一度は違反としたほどのドライバー」として、注目を集めるのに成功したというわけだ。

 一方、ジェミニ・ドライバー同様、今回認定されたニクラスゴルフのダブルフェース・ドライバーの方は、「私たちは(このドライバーを)完璧なものにしたいと考えており、製品発表までにはあと数カ月の時間が必要」(同社クラブデザイナー、C・ロング氏)ということでPGAショーには間に合わず、チャンスを逃した感がある。とはいえ、これで、将来J・ニクラスがこのドライバーを使って活躍でもすれば、再度火がつくことも十分に考えられる。

 それにしても、高反発の後は複合素材、そしてこのダブルフェースと、次から次へと新コンセプトが出てくるものだ。

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