週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
箕面GC(大阪府池田市)では、今年1月2日の営業から、平日ビジターフィを改訂、なんとメンバーフィと同額にした。新料金の内訳は、グリーンフィに当たるコース施設維持費3100円(従来は2600円)、キャディフィ4600円、諸経費250円、消費税395円、それに利用税450円を加えた8795円。ただし、ビジターがプレーする場合はメンバー同伴を原則とし、当日メンバーが同伴できなかった場合には、別途2000円を支払わなければならない。 それにしても、従来の平日ビジターの通常料金の1万8500円からは1万円近い大幅な値引きである。一体なぜ? そして、大丈夫なの? 「実は、優待券など各種割引制度の導入で、実勢料金はそれよりずっと安くなっていました」(営業担当者) これまでも、平日はメンバーフィと1000円以内の小さな差額でプレーできたのが実情だったというのだ。同GCに限らず、日本中のゴルフ場が平日の集客を図ろうとビジターフィを値下げしている。 「あるゴルフ場では、ビジターフィのほうが安いからと、メンバーがビジターと偽って予約している、という業界の笑い話があるじゃないですか」と語るのは、ゴルフ場運営コンサルタントの菊地英樹氏だ。 「実際、都心から離れたゴルフ場では、時期によってはビジター1組2万円のパック。つまり、1人5000円でラウンドできるところがありますから、メンバーさんより安いですよね」という。 また、小社刊「ゴルフ場セミナー」誌の調べによれば、昨年の平日キャディ付きのプレーフィは全国平均で1万3250円。地域によっては、また実勢料金では、1万円を切っており、8~9000円が相場とメンバーフィに迫っているのが現状だ。ちなみに、この平均料金は一昨年より361円下がっており、今後もこの値下がり傾向は続くと分析している。 箕面GCが平日フィを一本化したのには他にも理由がある。 「集客目的で各種の割引を設けたために、同じビジターさんでも複雑な料金設定になることがありまして……」と前出の営業担当者。それをシンプルにすることで、客もフロントも支払い時に混乱せずに済むというわけである。 そして、同GCがもっとも強調するのが、「会員制コース本来の運営になる」ということ。つまり、ビジターは原則的にメンバー同伴に限ること。そして、メンバーとビジターが同じ料金なので、昼食代を持つことも必要なく、メンバーが仲間を誘いやすくすることで、集客につなげる運営を目指している。 この集客効果のほどは、まだ始まって間がないので不明だが、前出の菊地氏は、「(民事再生法による再建中の)箕面GCには当てはまらないのかもしれませんが」と一応断ったうえで、「無理な集客をせず安定した入場者数が計算できるのであれば、当初からそれに応じた予算でオペレーションできるので、経営サイドは楽になると思いますよ」と、経営面でのメリットの可能性を認める。 さて、この戦略、吉とでるのか? ちなみに、最も心配されるメンバーからの不満の声は、今のところは聞かれないそうだ。