週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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　一目瞭然の激ヤセぶりを披露しているクラークは約13.5キロの減量に成功。同時に、大好きだったビールや葉巻も絶ち、すっかり健康志向のアスリートに変身した。クラークによれば、オフを含めた数カ月間、個人トレーナーの指導下で肉体改造に励んだ結果が、贅肉の削げ落ちたニュールックスなのだそうで、本人もすこぶるご満悦の様子。

「今までのように大きな下腹部を避けながらスウィングする必要もなくなり、クラブが振りやすくなった。アドレスするときも、以前とは異なる“景色”が見える。減量の目的？ そりゃ、自己改善だよ」

　クラークの変身についてはタイガー・ウッズも絶賛している。「2000年のマッチプレーの直後に、もう少し痩せないと欧米間を行き来するハードスケジュールの中でいいプレーはできないよって話したことがある。僕らは4日間のプレーを何週も連続でこなすこともあるのだからスタミナ維持は必須だってね。今回、ダレンは正しいトレーニングで筋力を増しながら体重を落とした。実際のトレーニングも見たけど、かなりハードなメニューだね」

　もっとも、クラークは今年から主戦場を米ツアーに移すため、欧米間の往復は減るが、それでも欧州ツアーカード維持に必要となる試合数はこなす予定で、タイガーの言葉通り、クラークの軽くなった肉体は転戦中の体力維持において効果を発揮しそうだ。

　今季、ボブホープで自らの初戦を迎え、いきなりプレーオフを制して優勝を飾ったミケルソン。早々の勝利に至った背景にも肉体改造がある。昨年は「私は痩せにくい体質だと医者から言われた」なんて言葉まで口にしていたミケルソンだが、オフは個人トレーナーの指導を受けながら週6日の筋トレとショートゲーム＆パットの練習に励み、引き締まった表情と肉体で今シーズンをスタート。一説約12キロ近く体重を落としたと言われているが、「これでゴルフに対するモチベーションが下がってはいないことが、わかってもらえたはず」とミケルソン。

　さて、先週号で既報の通り、今年から契約先をキャロウェイからヨネックスに変更したC・モンゴメリーは、先週の新契約記者発表の席で、一目でわかる激ヤセぶりを披露した。

「昨年10月から食事の量を減らし、毎日ランニングをした。といっても3キロだけどね。でも、おかげで体重は5キロ減った。腰のキレがシャープになったから、痩せても飛距離は変わらない」

　外見からは、とても5キロではきかないような激ヤセぶりに見えた。本人いわく、減量の目的は「持病の腰痛対策として負担軽減のため」。しかし、「タイガーやF1のシューマッハら、その道のトップの選手は皆、体をシェイプアップしているからね」と付け加えたように、トレーニングに耐え抜いた根底には、自らのモチベーションを高めるという目的もあったようだ。

　トッププレーヤーの大幅な肉体改造例は過去にもあった。その代表格は90年代後半のN・ファルドだろう。オフにフィジカルトレーニングを重ね、筋肉隆々になったファルドは、皮肉にも上腕や胸周りに付いた筋肉がスウィングを邪魔するという事態に陥り、成績を落とした。以来、米ツアーでは「正しいトレーニング方法」の重要性が強く認識されるようになり、個人トレーナーの需要が高まった。クラークの激ヤセに対してタイガーが「正しいトレーニング」という言葉を使った理由も、その辺りにあるのだろう。

　ところで、我らが丸山茂樹も、日本ツアー時代と比べると、かなり体重を絞っているのは周知の事実。メルセデス選手権では、TVレポーターとしてハワイに乗り込んだ青木功から、「ちょっとオマエらしくないよ。あと2～3キロ太ったほうがいい」などと言われて困り顔。しかし、米ツアーにおける丸山の成績は、筋トレによるウェイトコントロールの度合いと比例して上向いているのも事実。今季、大幅減量した3人の選手の成績が揃って上向けば、ツアー界の減量ブームに拍車がかかるかも？