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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。 内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。 |
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週刊ゴルフダイジェスト 2/24号 |
2004年更新 |
歴1~2年の女性ゴルファーを調査したら
「ゴルフを始めた年齢」で多いのは40代後半
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これまで、女性ゴルファー層というと、漠然と10~30代前半が中心というイメージを持っていた方が多いのではないだろうか。ところが、現実はこれとは異なり、今もっとも元気で活動的な女性ゴルファーは、子育てが終わった40代以上であり、最近になってゴルフ業界もこの層に注目していることがいろいろ伝わってきた。
今月26日から3日間、東京・有明で開催される第38回ジャパンゴルフフェアでは、今回初めて女性専用試打コーナー(4打席)が特設される。
「マーケット拡大のために、業界としてもっと女性ゴルファー層に力を入れるべきだと言われていました。現実に、最近の会場ではカップルの姿が非常に目につくようになりました。言葉は悪いのですが、せっかく女性に来場していただいているのだから、この機会に引っ張り込んでしまおう、という狙いの企画です」(同事務局)
その来場カップルの中で最近増えているのが、熟年の夫婦連れなのだそうだ。この世代の女性はいくら女性用クラブを用意し、誘いをかけても------よっぽど腕に自信があれば別だが------男性の間に混じって打席に立つことに気後れしがち。だから専用打席を設け、男性の目を気にせず、のびのびと最新クラブを試打してもらおうというわけである。
この熟年層------具体的には子育てがひと段落ついて、自由になる時間が持てる40代以上が、今、ゴルフ場を多いに賑わせている。
女性の来場者比率が約35パーセントという、女性ゴルファーの多さでは全国でもトップクラスの広島東映CCでは、「うちでもバブル期は若い層が中心で、華やかなムードにつられて、取りあえずお付き合いでやってます、といった女性が多かったですよ。でも、いま継続的に来場される女性は30代後半から、上は70代まで。お友達が大勢いらっしゃいますし、健康志向の強い世代ですから、おそらく一生プレーされるのでしょう」(寺川清支配人)
また、都内の練習場「東京ジャンボゴルフセンター」に現状を聞くと、「初めてレッスンを受けに来る女性は、もちろん各世代にわたってますが、最近は40代を中心に、友達同士で誘い合ってくるケースが多いですね。以前と比べて? そうですね、皆さん熱心ですよ」(所属の後藤裕美子プロ)
こうした熟年女性層への浸透を裏付けるデータが、先月、ゴルフ新年会の会場で「ゴルフサミット会議運営委員会」並びに「全日本ゴルフ練習場連盟」から発表された。ゴルフ普及活動推進に向けての基礎資料とすべく「女性ユーザーから見たゴルフ意識調査」と名づけられたアンケート調査で、調査対象はゴルフ歴1~2年の初心者女性ゴルファー(約400人)。
そこから得られた結果の中で驚かされるのは、まずゴルフを始めた年齢だ。「45~49歳」が17.4パーセントともっとも多く、次いで「40~44歳」(13.1パーセント)、「50~54歳」(12.1パーセント)と高齢である。
また、始めた動機では、「家族に勧められて」(39.6パーセント)、「友人・知人に誘われて」(34.8パーセント)と続き、「健康のため」といった自主的な動機は3番目(25.8パーセント)だった。逆に、これまで始めなかった理由は「なんとなく機会がなかった」(34.3パーセント)と「今までは興味がなかった」(33.1パーセント)がもっとも多く、「家事が忙しかった」は3番目(23.0パーセント)となっている。ちなみに「お金がかかるから」は18.7パーセントで6番目だった(お金の問題ではなかったのだ!)。
この結果からは、女性に対する普及活動のマズさ(主婦層へのアピールの弱さ)が指摘できそうだが、調査に当たったゴルフサミット会議運営委員会事務局長の大西武氏は別の見方をしている。
「時代的な要因だと思いますよ。バブル期までのゴルフ場には、女性という新しい顧客を呼び込む余地がなかった。ところが、ここに来て、全体的な利用者数の減少でその余地が生まれるとともに、カルチャースクール隆盛に見られるように主婦が外に目を向け始めた。その結果、老齢になっても楽しめるゴルフに目が付けられたという、時代の流れでしょう」
ただし、いまこそ、アメリカの半分以下の10パーセント強と言われる女性ゴルファー比率をアメリカ並みに伸ばすチャンス。時代が用意してくれた好機である。業界の努力が問われるのは、これからだ。
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