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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/2号
2004年更新
時流には勝てない? パターの大御所
あのピンも“2ボールタイプ”を発売
 オデッセイ2ボールパターの大ヒットによって、各メーカーがこぞって同様の“異型ヘッドパター”を発表する中、あのピン型パターを世に送り出したパターブランドの大御所的存在であるピン社までもが、異型ヘッドモデルを製作、この3月から販売を開始する予定で、業界では話題を集めている。

 モデル名は「ピンG2i CRAZ-E(クレイジー)」。ブルーの樹脂インサートで人気の“G2i”シリーズの1ラインナップで、価格は2万2000円となる予定。

 オデッセイの2ボールに代表される、いわゆる異型ヘッドパターのほとんどは、各社独自に工夫されたフェース後方の視覚的デザインで構えやすく、重心位置をフェースから遠ざけることで重心深度を深くし、ボールの転がりを良くするというもので、現在のパター市場では主流の商品となっている。

 販売店によると、「パター全体の売り上げのうち、2ボールパターが40~45パーセントとダントツですが、そのほかではいわゆる2ボールタイプと呼ばれるものがよく売れていて、続いてピン型となっています」(コトブキゴルフ販売管理課・指田政則氏)ということで、長い間パターの主力モデルだったピン型に陰りが見えてきたのは明らかである。

「オデッセイ以外の2ボールタイプの中では、テーラーメイドのロッサ・モンザが頭ひとつ抜けていますが、他はどれも売り上げ本数には大差ありません。ピン型ではやはり、ピンのG2iが人気でよく売れています」(指田氏)。

 最近では、パターのニューモデルとして話題に上るのはほとんどが2ボールタイプということを考えると、今後は2ボールを含めた“ネオマレット”形状の中での生き残り競争がますます激化しそうだ。

 そこで、今回ピンが投入する異型ヘッドパターだが、オプティカルアライメントシステムと名付けられたフェースのスウィートスポット後方に長く伸びたブルーのラインが特徴で、ターゲットに対してスクェアに構えやすく、かつストレートにヒットしやすいというのが売りになっている。

 その辺りは、明らかに2ボールパターを意識したデザインに見えるが、ピンジャパンの安本真理副社長によると、「2ボールの後追いをしたというにはあまりにも時間が経ちすぎていますし、決してモノマネというわけではありません」ときっぱり否定する。

 たしかに、このパターは、ピンパター史上もっとも低い重心位置を実現し、さらにヘッド中心部をくり抜いた形状と、フェースインサート部分に使用した比重の軽い樹脂、ポリプロフェラン素材の使用により、ヘッド重量をヒール、トゥとパターの後方に配分している。

 その点において、2ボールをマネしたというよりは、ピン伝統のトゥ・ヒールバランスがきちんと継承されており、ピン独自の主張が感じ取れる

「時代の潮流に乗るというよりも、つねに革新的なクラブ、より良いデザインのクラブを世に送り出すのがピン社のコンセプト。異型ヘッドということでは、以前にももっと形状の特殊なパターは製作していましたし、今回が特別ということではなく、あくまでもパターの機能を追究したひとつの形ということです」(安本副社長)

 ピン型パターの売り上げでは、唯一健闘している“G2i”シリーズの1モデルという位置付けだけに、「CRAZ-E」が人気となれば、ますます“異型ヘッドブーム”に拍車がかかることも考えられるが、果たして市場はどう反応するのか。動向を注目したい。

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