週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
皐月GCなど、昭和50年代前半にオープンしたコースは預託金も150万~280万円程度だが、玉造、京、三日月、都、ゴールデンウッドなど平成に入ってからのコースはいずれも高額会員権コース。 法人接待向けの豪華コースとして計画され、「200億円はかけたらしい」(ゴルフ業界関係者)と言われる丸の内倶楽部は、結局バブル崩壊で会員募集が出来ず、パブリックで平成8年にオープンしている。 「巨額の借金を抱え、すでに7~8年前から預託金問題は起きていたので、よくぞ今までもったと思う」(前出のゴルフ業界関係者)という声もある。 大洋緑化は、地産で岡部チサンCCなどを手がけ、後に旧平和相互銀行系列の総武都市開発に転じた杉尾栄俊氏が昭和45年に設立。杉尾氏は平和相互銀行の主要取引先として、次郎丸嘉介氏らとともに“平相四天王のひとり”と呼ばれたほどの人物で、平和相互銀行が住友銀行に吸収されてからは、徐々にメインバンクを日本興業銀行にシフト。その興銀も第一勧業銀行、富士銀行との統合でみずほになり、メンバンクが2度も再編されてしまったことになる。 みずほの再編以後、旧平和相銀、興銀分の債権が整理回収機構(RCC)に売却されたため、RCCが筆頭債権者になり、今回の更生手続開始申立は、RCCと大洋緑化の共同申立となっている。 共同申立になった理由、そして民事再生ではなく会社更生にした理由について、RCCは「同社の経営陣との間で再建に向けての話し合いを続けてきたが、再建の方針、手続きについて考え方の違いはあったものの、現経営陣に特別問題があったわけではなかった。また、今回の方針について経営陣の理解も得られたから共同申立にした。更生法にした理由は、現経営陣が経営から退く形になるという面も多少はあったが、グループ会社間の債権債務関係や担保の設定が複雑に入りくんでいたため、競売を止められる更生法がより合理的と判断した」(RCC広報)という。 ちなみに、RCCのゴルフ場経営会社との共同申立は、昨年2月の日本ゴルフ振興での民事再生以来。その日本ゴルフ振興は、昨年秋、主要債権者であるゴールドマンサックスの申立で、民事再生ではなく会社更生法で再建を図ることが突如決まっている。 ところで、今回の大洋緑化の倒産で、外資グループが参入する前からの国内専業上位15グループ(ホール数換算)のうち7グループが倒産したことになり、しかもそのうち6グループまでが上位7位までに入っている。そしてスポンサーはすべてローンスターかゴールドマンサックスだ。 今回は、通常申立をしてから手当を始める、申立後の資金支援(DIPファイナンス)について、すでに申立前に支援先を複数手当できている。その資金支援先がまさにスポンサー候補ということになる。 「内外数社が手を挙げている」と言われ、国内勢も候補に上がっている模様。 外資の買収が続く中、そろそろ国内企業の大手ゴルフ場グループへのスポンサー就任を見たい気もするが。