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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/23号
2004年更新
女子ツアー開幕戦で実力者らを振り切り
プロ初優勝を遂げた宮里藍の精神力
 女子ツアーの今季開幕戦、ダイキンオーキッドレディス(5~7日)は地元沖縄勢が大活躍。初日、諸見里しのぶ(沖縄出身・おかやま山陽高2年)が17歳7カ月のツアー最年少首位スタートを切り、通算3アンダー5位タイでベストアマを獲得。14歳の宮里美香(同・松山中2年)も1アンダー8位タイでトップ10に入った。そんな中学生や高校生が注目される中、沖縄ジュニアの先輩で高校の卒業式を終えたばかりの宮里藍(18歳)が、2位に3打差の10アンダーで、昨年アマチュアとして優勝したミヤギテレビ杯以来となる優勝を成し遂げた。

 宮里は最終日最終組で、3打差2位の肥後かおりと木村敏美といったベテラン勢とのラウンド。最終日単独首位スタートも初体験。スタート前のパット練習まで「食事がのどを通らなかった」。2日目まで安定していたドライバーショットも1番でいきなり左に曲げてボギースタート、前半は安定感を欠き、一時首位の座を奪われるなど、明らかに緊張と重圧がかかっていたようだ。しかし、地元沖縄1万2000人の大声援、両親と、翌日挙式を控えた長兄・聖志がロープ外に、さらにキャディの次男・優作が傍らに、心強いサポートを味方につけて、優勝のプレッシャーに打ち克った。では、藍ちゃんの喜びの声を。

------前日はよく眠れた?

「爆睡です。いつも18ホール、イメージトレーニングをするのですが、14番ぐらいで眠りにつけました。パー、パー、パー……ってイメージしながら(ZZZ)ですね」

------どれくらい緊張していた?

「1番ホールが一番緊張してました。(左にひっかけて)お兄ちゃんと『これでほぐれるね』って話したんです。でも力を抜こうと思ってもなかなか力が抜けなくて力んでいました」

------18ホールは苦しかった?

「ミヤギ(テレビ杯)より調子が良かったし、それほどでもなかったです。楽しかったです」

------勝てないかもしれないとか、弱気になった瞬間は?

「(きっぱりと)ありません。自然体で回れたと思います」

------追いつかれたとき焦った?

「勝てる自信はなかったですけど、自分との勝負だという気持ちで頑張りました」

------ベテラン選手とのラウンドで威圧感は感じられた?

プロとして同じ立場だとの意識を持ってラウンドしていたので、それは感じませんでした

------ホールアウト後、肥後さんから何か言われていましたね。

「『キミはスゴイよ』って!」

------今大会の目標は「トップ10」ということでしたが……。

「正直言いますと『予選通過』でした。でも意識的に目標は高いほうがいいので」

------今年の目標は「シード権の獲得」、これで達成できそうですが、次の目標は?

「また1勝です。今後は世界も視野に入れて行きたいです」

------今後の課題は?

「小技です。70ヤードからグリーンを何度も外したので100ヤード以内を磨きたいです」

*


 技と精神力を兼ね備え、すでに課題を見つけ、つねに前向きな宮里。今大会は4年連続賞金女王の不動裕理が「まだ5分咲き」と言うように、2日目から崩れ、藍との直接対決は見られず、最終的に注目されたのは藍ただひとり。今年は開幕戦から“藍一色”に染められた。

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