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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/6号
2004年更新
開催のメド立たなかったラスベガス招待に
なんと個人が500万ドル寄付し無事開催へ
 これまでスポンサーがつかず、試合の存続が危ぶまれていた米ツアーのラスベガスインビテーショナル。ところが、主催するチャリティ団体のラスベガス・ファウンダーズクラブとPGAツアーは、先の11日、この試合の日程を今年の10月6~10日に確定したことを発表。実はこの話、オフィシャルな日程発表の裏に、タイガーもラブもビックリという、凄いエピソードが隠されていた。

 そのエピソードというのは、同試合を救ったのが、なんと個人の寄付によるものだったというもの。しかも、その寄付金額は、なんと500万ドル。日本円にして約5億5000万円もの大金をポンと出した慈善家がいるのだ。J・サリバン大会会長をして「彼女は私たちの守護神」と言わしめた慈善家は、ヘレン・モートンさん。「彼女にとっては、(試合がなくなることは)“犯罪”で、起こってはいけないことだった」と息子のK・クレッカ氏が語るのは、実は、2年ほど前に他界したヘレンさんの夫トーマス氏が、こよなくゴルフを愛し、度々、この試合のプロアマに出場していたからだ。

「ラスベガスは、つねに私たち家族の心のふるさとのような場所。トーナメントを存続させることは、トーマスにとって、とても意味のあることだと、私にはわかっているんです」(ヘレンさん)ということで、今年すでに150万ドルを寄付し、来年には170万ドル、06年には180万ドルを寄付する予定とか。

 2年前に他界したヘレンさんの夫のトーマス・モートン氏というのは、投資管理(インベストメント・マネジメント)のパイオニアとして知られ、彼が会長を勤めていたマクモーガン社では50万人にも及ぶ企業年金の管理を行っていたというほどの大金持ち。しかし、モートン氏は、それ以上に、慈善家、そしてゴルファーとして知られていたといってもいい。自らオリムピッククラブやサンフランシスコGCといった名門倶楽部のメンバーで、かつてAT&Tペブルビーチのプロアマで、ペブルビーチの13番ホールでイーグルを出したゴルファーであることで知られている。慈善家としては、盲導犬協会など100以上の慈善団体のサポートをしていたことが有名だ。

 ラスベガス招待を主催するファウンダースクラブは、この試合を募金活動の資金源として、地域コミュニティに寄付活動を行っているが、そういした意味では、ヘレンさんが言うように、ゴルフと慈善が結びついたこの試合を援助することは、故モートン氏の遺志であるのかもしれない。

 しかし、それにしても、一個人がトーナメントのスポンサーになり、5億円以上も出して「私たちが(寄付したことの見返りとして)得られるのは、多くの人の笑顔以外には、なにもない」(クレッカ氏)というのだから、前代未聞の出来事だろう。あるいは、こうした話に促されて、本当の冠スポンサーも見つかるかもしれないというものだ。

 そういえば、今年のAT&Tペブルビーチでは、タイガー・ウッズが、キャディ協会を通じて、ルー・ゲーリック症に悩むT・ワトソンのキャディ、B・エドワーズのために2万5000ドルの寄付を行い話題を集めたが、その後、WGCマッチプレーでタイガーに破れたD・ラブIIIが、なんとマッチプレーで得た賞金の70万ドル(約770万円)をそのまま、教会に寄付。D・デュバルの結婚式に出席した際、牧師の言葉に感じるところがあって、ラブは寄付を行ったというのだが、タイガーとはケタ違う寄付金額で、話題をさらってしまった。

 しかし、今回の寄付はもう一ケタ違いの500万ドル。プレーではタイガーを負かす人間はなかなかいないが、広いアメリカ、上には上がいるということか。

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