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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。 内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。 |
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週刊ゴルフダイジェスト 4/6号 |
2004年更新 |
ゴルフ振興議員連盟新会長の衛藤征士郎
代議士に利用税問題等、今後の方針を聞く
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自民党のゴルフ振興議員連盟(ゴ議連、衆参55名)の新会長に、このたび衛藤征士郎衆議院議員が就任した、これまで、利用税問題など、ゴルフ業界をよくするために尽力してきたゴ議連だが、その新会長としての抱負、また今後の活動方針について直撃取材した。
------相沢英之前会長が先の衆院選で落選。それを受けての会長就任ですが、党税制調査会会長として活躍した相沢氏の落選で、ゴルフ場利用税の運動が終わったとの見方がありますが……。
「とんでもない誤解です。相沢先生のことは残念ですが、私が会長になってから、まず着手したのが役員人事です。とにかく、多くの方に役員になって頂き、ゴルフを政治課題としてキチンとしていく方針です。具体的には副会長は額賀福志郎税調会長、スポーツ一般に造詣の深い中曽根博文先生にお願いし、さらに顧問には、とかく税について対立的立場とされると言われる総務省の麻生太郎大臣、さらに平沼赳夫党総務会長、橋本龍太郎先生、高村正彦先生にもお願いし、幹事には前日本ゴルフ協会(JGA)会長を大叔父に持つ、後藤田正純君にお願いした。まず単なる議員の集まりではない、仕事のできるゴ議連であることをご理解頂きたい」
------具体的にゴ議連の仕事とはどういうことですか?
「総論として大きく3つ。ひとつは、少子高齢化社会の中でゴルフをきちんと国家の中核となる政治課題にして取り組むこと。次に真のスポーツ大国として、ゴルフがスポーツ界の一翼を担い、牽引するスポーツとなるようにすること。そして、最後は観光立国日本として、日本に来た外国人がゴルフを楽しめる環境を整備することです」
------そのために具体的には、どんなことに取り組むのか?
「当面課題として出てくるのが、(1)ゴルフ場利用税の完全撤廃、(2)会員権売却時の損益通算の現状維持、(3)公務員の倫理規定から『ゴルフ』の3文字を外す、というものです」
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ゴルフ場利用税はJGAを中心としてた5年にわたる署名活動もあり、昨年、障害者やジュニア、シニア、ゴルフ部の学生、指導者ら、一部対象の免除が決まった。しかし、一方、政府は地方税の改正に乗り出し、ゴルフ場利用税の税率上限撤廃の方向で、同税は撤廃どころか、むしろ逆に値上げといった方向に進む可能性も囁かれている。
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------利用税問題は、昨年の改正による一部対象の免除で終わり、それどころか1日1200円の上限撤廃の話も出ています。それだと、実質、利用税の値上げとなるのですが……。
「我々はゴルフはスポーツであり、そのスポーツから税金を取るのが間違いだと言っているのです。昨年の税改正には誰も満足していないし、そもそもおかしい。だから撤廃だと言っているのです。当然、ゴ議連は筋も理もない利用税の撤廃運動を今まで以上にやっていく方針です」
------具体的には?
「広く業界団体に呼びかけ、当面、党税調に働きかけていきます。4月から始まる内税表示制度により、ゴルフにだけ別の税金がかかるという矛盾が、広く社会に認知されるでしょう。ゴ議連としては、次の消費税の税率引き上げ時期までには必ず撤廃に持っていきます」
------リゾートマンションなどと並び、ゴルフ会員権の損益通算も廃止の方向だそうですが。
「これもおかしな話で、ゴルファーの財産権を侵すものです。当然、現状維持が我々の主張ですし、こんなことが許されるはずもありません」
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もうひとつの課題である公務員の倫理規定は、00年4月より政令として法的拘束力を持つもの。公務員の利害関係者との遊行につき「ゴルフその他遊戯禁止」との文言があり、違反すると懲戒処分の対象にもなる。
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------公務員の倫理規定については、ゴルフ業界団体がこぞって猛反発しているものですが。
「そもそもゴルフがスポーツとして見られていない元凶でしょう。『ゴルフ』の三文字をこの倫理規定から外すことは、スポーツを愛する者、ゴルフを愛する者、そして政治家として当然の使命でしょう」
------ただ、ゴルフ場が接待や汚職の場に使われてきた現実は、我々も含め関係者が反省しなければなりませんね。
「百歩譲ってそういう論理があるとしても、この10年でゴルフ場が変わった。スポーツとして健康のために、あるいは教育のひとつとしてゴルフを楽しむ方が増えていることは事実です。ゴルフにはこの他にも家族の団欒、世代間の交流、あらゆる可能性が秘められている。だとしたら、それを政治課題にすることは政治家の役目です。だいたい『ゴルフをしてはならない』などと言うことのほうが不自然ではないですか?」
------今後、具体的な活動予定があったら教えてください。
「予定しているのは、ゴ議連として、長年ご活躍した相沢先生の慰労を5~6月に行います。それをゴルフコンペで多数の参加者を募って行いたい、というのが会長としての希望です。マスコミの中には否定的な意見も出るかもしれませんが、しかし誰もがゴルフを楽しめる環境作りのためにも、我々は堂々とやります。できれば税の問題、倫理規定の問題など、ゴルフに向けられたあらゆる矛盾を提起し、さらゴルフが社会に大きく貢献できることをアピールする慰労コンペにしたいですね」
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「仕事のできるゴ議連」と自ら言うだけに、衛藤新会長の言葉は明瞭で力強いものであった。新会長の手腕に期待したい。
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