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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/13号
2004年更新
米女子ツアーのロージー・ジョーンズが
レズビアンであることを告白、波紋呼ぶ
 先の3月21日付けで、ニューヨークタイムズ紙に掲載された女子プロのロージー・ジョーンズ(44)の「カミング・アウト」の話が話題を集めている。

 つまり、自分がレズビアンであることを公表したのだ。米国ではさほど珍しいことでもなくなったが、今回の話には、様々な尾ひれが付いている。

 その記事の内容は「今年、最初のメジャーのナビスコ選手権(先週開催)で、私は新しいスポンサーのロゴマーク入りのシャツと帽子を身につけることになる~中略~そのスポンサーは『オリビア』という、レズビアンの旅行者を扱うことにかけては世界最大で、もっとも評価されている会社で、プロスポーツ選手のスポンサーになるのはもちろん、しかもゲイのスポーツ選手のスポンサーになるのは初めてのことだ」というもの。

 現在、アメリカではゲイ・カップル、つまり男同士、女同士の結婚が許されるべきかどうかという問題が全国的な話題となっている微妙な時期ということもあって、ジョーンズの話は神経質に扱われているようなのだ(ゲイ同士の結婚は国としては禁止しているが、実際の判断を地方自治体に振ってしまったために、各地でこの是非を巡り大きく社会問題化している)。

 これまでLPGAの選手になかなかスポンサーがつかないのには、このレズビアン問題があると言われてきた。ジョーンズは44歳ながら、米ツアー通算13勝の現役バリバリの選手。にもかかわらず、ゴルフ用品メーカー以外のスポンサーがつかなかった(以前はキャロウェイと契約)のは、スポンサーにすれば、契約を結んだ後でカミング・アウトされてしまうと、企業イメージに傷がついてしまうことを恐れたからだろう。

 彼女に限らず、LPGAに多くのレズビアンの選手が多いことは、昔から知られており(ジョーンズも家族や友人、知人には25年も前からゲイであることを伝えていた)、同様の事情が多くの選手に見られる。つまり、ハナからカミング・アウトしていれば、それなりのスポンサーもつく訳で、今回のジョーンズのカミング・アウトが、他の選手たちの引き金になるのではないかとも期待されている。だからこそ「今まで公表しなかったことに対しての批判の声が出るのは覚悟している」というジョーンズの言葉になるのだろう。

 これまでもLPGAでレズビアンであることをカミング・アウトした選手は何人かいたが、第一線で活躍している選手ではなかっただけに、今回のジョーンズのカミング・アウトは大きな波紋を投げかけている。

 ジョーンズは、掲載コラムの最後で「そう、私はゲイです。さあ、ゴルフをしましょう」と締めくくっている。ゲイの是非はともかく、また公表するかしないかは個人の問題だが、これまで陰でささやかれ続けたレズビアン問題のために、LPGAが足を引っ張られていたのは事実。ここでカミング・アウトが続出し、この問題をすっきりさせ、ゴルフに専念できる環境になればよいのだが……。ジョーンズのカミング・アウトがその最初の突破口となることが期待されている。

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