週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
中古チェーンのJGGA加盟はゴルフパートナーが最初ではない。関西・中部地区を中心に「ゴルファーズマート」を10数店舗展開している明響社が4年前から加盟している。だが、当時は加盟に反対する協会員もいたようだ。というのも、中古ショップの普及で盗品クラブが売りさばきやすくなったからだ。つまり、中古チェーンがクラブ窃盗を助長したという意見があり、同協会もかつては加盟承認に慎重な姿勢をとっていた。 「しかし、今やクラブ流通で大事な位置を占めている業者。業界全体の繁栄を考えれば、ゴルフパートナーさんには是非加盟していただきたいと思っていました」(JGGA事務局) 自動車と同様、今や中古市場はクラブ流通の最終段階として、業界に欠かせない存在。中古チェーンがあるからクラブが売れる、という側面も否定できない。いわば共存共栄の関係である。ならば、窃盗や盗難といった問題も、メーカー&ショップと中古チェーンは手を携えて解決にあたるべきなのだろう。 ところが、これまで業界全体が一堂に会して協議する場がなかったのだ。 「今回のゴルフパートナーの加盟で、メーカーから中古ショップまで同じテーブルに着き、様々なテーマの検討をできるようになりました。もちろん、クラブの窃盗・盗難の問題はその最大のテーマです。今後、この問題が話し合われ、対策が練られることが期待されます」と業界事情に詳しい片山哲郎氏。 同氏によれば、これまで中古チェーンはメーカーやショップと協議する場がなく、窃盗犯の最終目的である換金の場所の中古ショップとの連携がまったく取れていなかった。それゆえ、クラブのシリアルナンバーという便利なシステムがあっても、それを活かしてクラブの行方を追尾するといった手段も講じることができなかったそうだ。 こうした期待に対して、ゴルフパートナーでは「従来の警察からの情報に加え、メーカーや他のショップの皆さんからの情報が充実し、盗難品の買取を水際で止めやすくなると期待しています。具体的な施策については協会内で議論を進めていくことになると思います」(同社経営管理部)と、さっそく積極的な姿勢を表している。 その結果、中古チェーンで盗品の買取が少しでも難しい状況になれば、窃盗・盗難が減るはず。ゴルファーの中には、練習場はもちろん、コースにいても、キャディバッグからおちおち目が離せないという人も多い昨今。そんな状況が、少しでも改善されることを期待したい。