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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/4号
2004年更新
今さら!? 宮里藍がプロテスト実技免除の
特例措置、その他QT制度の問題も浮上
 日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は先週の理事会で、宮里藍に対するプロテスト(最終競技会)の実技免除を承認した。これにより、彼女はプロテストという競技会を経ない初の女子プロということになる。今回は特別措置だが、免除規定の制度化は昨年のツアー出場資格予選会(QT)制度スタート時から、関係者の間で指摘されていたようだ。

 男子ツアー同様、女子でも昨年からQT制度が発足。プロテストとは別にQTというツアー予選会を行い、その成績上位者はプロテスト合格者でなくてもツアー選手として登録されることになった。

 その制度改革の一環として、ツアー競技優勝者には、以降1年間のシード権を与えるという規定が盛り込まれ、宮里藍もその資格で今季をスタートさせた。しかし、昨年の優勝の時点ではLPGA内部に「ファイナル(プロテスト最終競技会)免除」の声はまったくなかった。宮里のプロテスト受験は当然とされていたのだ。

 ところが、今季初戦でツアー2勝目を飾る。

「それでも協会内部には『実力は認めるが、プロテストという一発勝負を経験してもらうべき』という意見がありました。でも『それでは世間に通用しない』という意見が大勢になりました」と同協会の関係者は語る。

 さらには「プロテスト受験を予定している選手の間からは、『藍ちゃんが受験するんじゃ、合格枠(20位タイまで)が実質1つ減っちゃう』なんてボヤキが聞かれたくらい、彼女の実力は誰もが認めるところでした」と内輪話を明かす。

 男子の日本プロゴルフ協会(PGA)では、昨年7月の理事会で「賞金シード選手でPGA会員でない者に対し、入会を希望する場合には、プロテスト(実技審査)を免除」する規定を決定。その結果、昨年は資格のあった矢野東が申請。12月に行われた「入会セミナー」を受講し、プロテスト免除の初の男子プロとなった。ちなみに、宮里藍の兄・優作も有資格者だったが、「入会セミナー」が米ツアーQスクールの最終予選の日程と重なり、見送っている。

 今年の入会セミナーは「12月中旬に開催を予定」(PGA事務局)だそうで、今年も賞金シードを確保すれば、晴れてPGA認定のプロになれる。

 一方、LPGAの場合、今回はあくまで特例措置で、規定が設けられたのではない。

「どういう形になるか分かりませんが、免除規定を協議することになると思います」(高須皓友トーナメント部門エグゼクティブディレクター)とし、今後の制度改革をにおわせる。

 ちなみに今回、宮里のように最終プロテストの実技免除ではないものの、3月のステップアップツアーで優勝した上原彩子は、今年のプロテスト2次予選会が免除となるが、これは規定に則ったものである。

 他には、宮里のように、アマチュアがツアー優勝した場合、4週間以内にプロ転向を宣言すれば、その後1年間のシード権を認める制度。これも、男子ツアーが2年間有効としているのに比べ短すぎるという。

「ですから藍ちゃんのツアー優勝が昨年9月でLPGAは大助かりだったんですよ」(競技運営会社スタッフ)

 昨年、宮里は春先から主催者推薦等でツアーに出ていた。もし、彼女の優勝が夏前だったら……「アマチュアとしての最後の大会、9月の日本女子オープンまでプロ転向しなかったかもしれませんよ」と推測する。

 例えば、6月に出たサントリーレディスで勝ったとしても、4週間以内にプロ転向を宣言したとは限らず、だとすると彼女のプロ転向はなかったのかも。とすれば、藍ちゃんは未だにアマチュアで、昨秋以降の女子プロ人気もなかったのかも……。ともかく、QT制度にはまだまだ改善の余地があることは間違いなさそうだ。

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