週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
「ギネス・ワールド・レコーズ」により“世界最大のゴルフ場”として認定され、ギネスブック入りしたのは、広東省深○(土へんに川)にあるミッションヒルズGC。94年に最初の18ホールがオープンした、香港から車で30分のところに位置する国際リゾートである。95年のワールドカップ、昨年の日本 vs アジアPGAの対抗戦「ダイナスティカップ」の開催コースとして日本でも名は知られている。 従来の世界最大のコースは、8コースを擁する米国のパインハーストだった。ミッションヒルズはそれを2コース上回る全10コースで、以下の主な記録により「世界最大」と認定された。 (1)年間に訪れるゴルファーの数=30万3081人(03年)、 (2)1日にプレーするゴルファー数=2366人(04年5月20日) (3)キャディ数=1500人(04年) (4)カート数=1015台(同) (5)1日に保管されたゴルフバッグ数=3814個。 10コース分だから妥当な数字とも言えるが、とにかくスケールが大きい。ちなみに、総面積は495万3829平方メートルで、レギュラーティのトータルヤーデージは6万1846ヤード。 このギネスの認定書授与式が先月26日、現地で盛大に開催された。中国の要人が多数列席する中、外国の招待客が3人いた。 「ギネス・ワールド・レコーズ」の関係者と新アジアPGAのチ・ラ・ハン会長、そして日本ゴルフツアー機構の渡辺一美専務理事である。 「ダイナスティカップ(隔年開催)があと2回、ミッションヒルズで開催されることから招待されたようです。見渡す限りゴルフコースで、広くて、大きくて……うらやましい環境です」(渡辺氏) 式典には同国スポーツ省の大臣が直々に出席するなど、同国のゴルフに対する力の入れようがわかるという。 また、3カ月ほど前に視察した同ツアー機構の競技運営ディレクター・山中博史氏は「1500人のキャディさんのほとんどが20歳前後の若い女性でしたね(笑)」と付け加えてくれた。また、全10コースのうち、メインのクラブハウス周辺には4コースだけ。そこから少し離れたところに1コース。あとの5コースはシャトルバスで15分ほどかかる位置にあるそうだ。 ところで、渡辺専務理事によれば、現在中国では190~200コースが営業している。ただし、客の多くは外国人で「ミッションヒルズも地元民は2割程度、あとは主に香港からのお客さんと聞いています」 しかし、中国は08年の北京五輪に向け、ゴルフの競技採用を視野に選手育成に力を入れている。また、ゴルフ場開発も過熱気味で、最近政府は開発申請には慎重になっているそうだ。 ちなみに、競技人口はまだ25~30万人に過ぎないと言われるが、13億人もの人口を抱える国、たった1パーセントの人がプレーするようになっただけで日本と肩を並べる計算だ。さて、そうなったとき、このミッションヒルズGCはさらに11、12とコース数を増やすのだろうか?