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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/22号
2004年更新
外資の土壇場であるゴルフ場買収合戦
国内企業として東京建物が本格参戦へ
 ゴールドマンサックス(GS)、ローンスター(LS)の2大外資の独壇場である、国内ゴルフ場買収戦線に、東京建物が新たに参入を図りつつある。

 今年2月に民事再生を申請したオリエントコーポレーション系列のホロンGC(静岡)のスポンサーに決まったのはGSでもLSでもなく、創業108年、ビル経営の老舗で東証一部上場の東京建物(株)。同社は今年3月にも大成建設グループから日光泉観光(株)を買収、日光インターCCの名称で運営されていたパブリックで、4月1日からは日光ゴルフパーク・ハレルに名称変更、リニューアルオープン済み。さらに、大成建設グループからは、つくでCC(愛知)の買収も内定していると言われ、この2~3カ月で3カ所の買収を決めたことになる。

 これ以外にも、最終的にはローンスターに決まったものの、会社更生法を申請した大洋緑化グループのスポンサーにも名乗りを挙げている。外資の独壇場となって久しいゴルフ場買収戦線だが、これまで国内勢の参入を望む声は少なからずありながら、オーナー企業の経営者個人が、個人的な判断で数コースを取得したり、大企業でも縁の深いコースを2~3取得して終わり、というケースが大半。なかなか組織的に参入を図るケースはなかった。

 ところが、東京建物では「ここ2~3年が取得には良い時期」(同社ゴルフビジネス担当)とし、当面積極的に取得に動く意向を表明している。

 ただ、過去、2大外資がやってきたような、まとまった数のコースをドンドン買うのでなく、「財務の健全化が可能で、かつ損益の改善もできるコースを選んで買っていく。1年以内に何コース買う、といった数値目標は掲げていない」と言う。

 東京建物の本業はオフィスビル営業とマンション分譲の事業だが、5年前からゴルフ場の運営業務の受託や資産性の評価、コンサルティング業務を手がけており「次は自ら取得して、という判断」(同)だという。

 同社はバブル期にゴルフ場開発にまったく手を出しておらず、アレルギーがないこともゴルフ場経営に乗り出せる要因だろうが、平成11年に吉川インターGCと篠ノ井ゴルフパークの運営を受託したことが、ゴルフ場ビジネスへの参入のきっかけになった。そのノウハウでコンサルを手がけ、その結果査定業務も手がけるようになったわけで、法的手続きをとったコースの入札価格の査定もかなりの件数を手がけている。ここへ来て自ら取得に動いたのは、同社が進める中期計画の中で、新規事業の育成の一環でゴルフ場を保有して経営していく社内コンセンサスがとれたため。

 これまで運営受託を手がけていたパブリックの吉川、篠ノ井では、独自のカジュアルな運営を実践、同じくパブリックの日光ゴルフパーク・ハレルにもそのノウハウは活かされているが、今回取得したホロンはメンバー制なので、「メンバーシップのあるべき姿を提案、丁寧に再生したい」という。

 今後取得対象のコースは、預託金債務や金融債務がある程度整理されていて財務の健全化が可能、かつ工夫したら損益も改善できる余地のある「コースレイアウトなど、ハード面の良いコース」という。

 従って、メンバーシップのコースだと、やはり一度法的整理を行っていて、なおかつコースレイアウトが優れているコースということになる。2大外資も量の獲得競争から、質の競争にステージは移りつつあり、「当然2大外資との競合は覚悟している」という。

「価格以外の提示条件に差はつかないから、結局価格の競争になる」(倒産処理に詳しい弁護士)。ようやく登場した待望の国内勢。どんな経営手腕を見せてくれるのか、期待しよう。

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