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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/27号
2004年更新
日本ゴルフ新興のスポンサーが、2大外資の
争奪戦の末、ローンスターに決まった理由
 ほぼ決まりかけていた日本ゴルフ振興グループのスポンサーの座を、いったんはゴールドマンサックス(以下、GS)に奪われたローンスター(以下、LS)が、最終的に奪い返す“再どんでん返し”が起きた。

 7月2日、日本ゴルフ振興の法律管財人である木内道祥弁護士は、今年2月にGSとの間で締結されていたスポンサー契約を合意解約し、新たにLSとモルガンスタンレー証券を共同スポンサーに、そして実際のコース運営はLSグループのパシフイックゴルフマネジメントに決めたことを発表した。

 国内28コースを有する業界大手・日本ゴルフ振興は昨年2月にRCC(整理回収機構)との共同で民事再生手続の開始を申し立てていたが、当初から有力なスポンサー候補としてLSの名が取り沙汰されていた。多くのスポンサー候補が殺到する中、計画案の提出期限が2度に渡って延期され、結局、会社側が出した案は「九州沖縄地区、四国地区、それ以外の3ブロックに分社化してそれぞれに違うスポンサーを付ける」というものだった。

 単独でのスポンサー就任を望むLSは、この会社側の姿勢に反発、11月になって債権者として会社更生手続きの開始を申し立て、12月には更生手続きの開始決定が下り、民事再生は棄却されてしまった。

 そして今年2月17日、管財人・木内弁護士から正式なスポンサーとして発表されたのは、LSではなくGSだった。

 この逆転劇の原因について、当事者はいずれもノーコメント。「LSは再生法時から監督委員だった木内弁護士と対立していたから、それが原因では」と見る声も業界関係者の間では聞かれたが、真相はヤブの中。

 そして、今回はGSとのスポンサー契約を合意解約した上で、あらためてLSとモルガンスタンレー証券との共同スポンサー就任となった。再度の大どんでん返しの要因について、管財人の木内弁護士は「経緯経過についてはノーコメント。債権者の利益に適うスポンサーとして今回の決定に至った」と話すのみ。

 敗れたGSは「結果として選ばれなかったわけだから、コメントする立場にない」、LSは「GSの条件を聞いているわけではないし、結果として選ばれたということは我々が提示した条件が、おそらくGSを上回ったのだろうと認識している」、LSとタッグを組むモルガンスタンレーも「コメントできる立場にない」と、いずれもコメントを控えているので、真相は定かではないが、ゴルフ場関係者の間からは、「LSがとてつもない金額を上乗せしたらしい」との声が出ている。

「300億円程度だった提示額を一挙に500億円に引き上げ、さすがにGSも追いつけなかったと聞いている。LSは筆頭債権者だったRCCからも債権を買い取り、1000億円以上の債権を持つ圧倒的な筆頭債権者になっているため、裁判所としても無視できなかったはず」だと言うのである。

 当事者がいずれもコメントを控えている以上、真偽のほどは明らかではないが、もしも500億円という数字が事実だとすると、日本ゴルフ振興の負債総額が約3600億円(うち、預託金債務1700億円、金融債務1900億円)だから、単純に計算すると1割を超える配当率になる。

 プレー権の保護は当初から掲げており、スポンサー選定もプレー権の保護を前提に進めて来たため、会員にとって最大の関心事は預託金のカット率に絞られるが、「裁判所の許可が下り次第公表する。早ければ7月の第3週目には決定が下りるかもしれない」(日本ゴルフ振興管財人室)。

 カット率を含めた更生計画案の骨子が明らかになれば、LSの提示した金額もおのずとわかる。“500億円説”の真偽のほどもわかるはずだ。

 ところで、今回の決定で一瞬にして28コース分が消滅したGSは、内定分も含めて約80コース体制になるが、一方のLSは、これで約80コース、内定分の大洋緑化グループ14コースを加えると、数ではGSを逆転することになる。量を追う段階からから質を追う段階に突入したと言われるが、「国内最大手」の称号はほしいはず。両社のデッドヒートからは、まだまだ目が離せない。

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