週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
スタンレーでは不動と宮里が同じ組でプレー。2人の同組プレーは、実はこれで17度目、通算成績は8勝8敗の5分。また、ゴルフ5で下した金田とは同じ組で回るのは初めてだった。しかし、この2試合における、いずれも初の最終日最終組の直接対決では、まさに女王の貫禄を見せつけた格好になった。 「30勝まではアッという間でしあた。1勝目までのほうが長かったと思います。あと5年ぐらいで、今の実力あるアマチュアの方がプロになっていると思うので、追い抜かれないように頑張ります」と話す不動。 今季、旋風を巻き起こしている10代プレーヤーを、これまでことごとく叩きのめしている不動だが、スタンレーで最終日、直接対決した宮里藍にしても、初日14歳でトップに立ち(史上最年少記録)2日目、不動と同じ組で回った日本女子アマ女王の宮里美香にしても、不動と最春館レディースでプレーオフを戦った横峯さくら(18)にしても皆、不動を目標にしている。 スタンレーで敗れた宮里藍は「不動さんはパットが入らないといっても、いつも通りでしたよ」と不動の安定感を再認識させられていた。 宮里美香は「日本女子アマで勝てたのも、今大会で活躍できたのも、不動さんの練習内容を聞いていたからです。不動さんはオフの週に地元熊本のゴルフ場で8時間打ち続けたそうです。それもグリーン周りから一歩も動かず、前の週に失敗した15メートルのアプローチだけを打ち続けたそうです。こんな練習をしているから強くなれるんだと、私も練習量が増えて、練習の質も高まったと思います」と話す。 先日、世界ジュニア5度目の優勝を果たし、ゴルフ5では、最終日の終盤近くまで不動と並んでトップに立ちながら、惜しくも競り負けた金田も「どんな難しいコースでも、不動さんならいいスコアで回ると思って戦いました。ほかの選手の顔は思い浮かばないんですが、不動さんだけは……」と不動から女王の格の違いを感じたようだ。 プレーオフで敗れた経験を持つ横峯は「小技が何よりも上手いです。グリーンを外しても、しっかり寄せるか、たとえ寄らなくてもパットを沈めるか、どちらにしても必ずパーを取ってきますから」と舌を巻く。 樋口久子、大迫たつ子、ト阿玉、岡本綾子、森口裕子が持つ永久シードを取り、これで開催試合数の60パーセント以上の出場義務が免除され出たい試合を選んで出られることになったわけだが、不動は「ファンの皆さんも私が出ることを望んでいると思うのでこれまで通り出るつもりです」と前向きだ。 今季は、毎試合のように、ツアーで最も見応えがある「女王 vs 10代」の対決が見られているが、果たして女王・不動を最終日最終組で叩きのめす10代プレーヤーは現れるのか。