週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
日韓対抗戦は9月4、5日の2日間(今年中止となった日本プロマッチプレーの開催週)、ソウルから車で約2時間半の高原リゾート、ヨンピョンで開催される。同地は、あの『冬のソナタ』で主人公2人が運命的な再会を果たした場所で、今や日本人観光客の人気スポットらしい。 それはともかく、大会は両国から10選手ずつが出場。初日はマッチプレーによるシングルス、2日目はストロークプレーによるシングルスで、総額60万ドルを(約6600万円)を争う。 顔ぶれを見ると、両国のエース、米ツアー選手の丸山茂樹とチェ・キョンジュ、そして体調不良で長期休養中の伊沢利光の不在は致し方ないとして、日本チームに片山晋呉の名前がないのはちょっと寂しいところだ。 米ツアーで活躍する多くの韓国人選手が参戦する女子の日韓対抗戦(99年から基本的に毎年開催)と比べると、「フル代表戦」ではなく「選抜チーム」の感は否めない。ちなみに、その女子対抗戦だが、昨年は12月、寒風の中で開催され盛り上がりに欠けた。そこで今年はもっと暖かい時期での開催を検討していたようだが、今のところ「日程はまったく未定です」(日本女子プロ協会・高須皓友氏)とのことだ。 ところで、この大会の意義を韓国のゴルフ関係者はどう見ているのだろうか? 「韓国PGAはまだまだ選手層が薄く、今回の代表メンバーの力量も、日本ツアーの2軍クラスでしょう。しかし、韓国のプロには、日本人プロにはない精神的たくましさがあります。現在の韓国ゴルフ界の成長からすれば、近い将来、選手のレベルも日本と肩を並べるでしょう。そのときまで、この日韓戦を続けなければいけません。まずは、継続させることです」(米誌ゴルフダイジェスト韓国版・日本代表、ファン・ジョンギル氏) 同氏によれば、そのためには、韓国側は日本側に「韓国チームは弱すぎて、これではやっても意味がない」と思われないように。日本側にも、いい加減なプレーで、韓国のファンをガッカリさせることのないように。つまり、将来のライバル関係を視野に真剣勝負となることを望むという。 ところで、韓国ではこの秋から冬にかけて、大きなゴルフイベントが続けて開催される。この日韓対抗戦に続いて、11月にはタイガー・ウッズが初訪韓。14日に済州島でチェ・キョンジュ、パクセリらとスキンズマッチを繰り広げる。その後すぐ、25日~28日には、同じく済州島で米ツアーの一戦(非賞金ランク対象試合)「コリアゴルフ選手権」(賞金総額400万ドル)を開催。米ツアーをはじめ、世界中のトッププロが多勢出場する予定だ。 そして、その先には、「実は来年から、大手民放のSBSがアンブレラスポンサーとなって、新しく韓国ツアーをスタートさせる予定なんです」(前出・ファン氏) 今年18試合の韓国ツアーが、来年は30試合前後にまで急拡大し、これまで有力な若手が登場してもすぐに海外に流出せざるを得なかった状況を一変、国内で力を磨ける環境を目指すという。 その新ツアー立ち上げのためにも、日韓対抗戦の成功で勢いとつけたいというのが、韓国のゴルフ関係者の思いのようだ。