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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/14
2004年更新
日本が金メダル獲った翌日はプレー代半額の
栗橋国際CC「まさかこんなに獲るとは……」
 日本のオリンピック史上、最多の33個(25日まで)のメダル獲得に沸いたアテネ五輪。先週、ゴールドマンサックス証券は、今回のメダル効果によって日本の今年のGDPは最大で6.4パーセントまで上昇するとの試算を発表したほど、明るい話題となった(内閣府は今年度GDPを3.5パーセントと試算)。しかし、その裏で“泣きをみた!?”ゴルフ場があった。

 日本の金メダルラッシュは、大会初日の14日から実に8日間も連続した(合計15個)。大会前、日本選手団は金メダル二桁、メダル総数25個を目標にしていたのだから、明らかに予想を超える誤算である。そのために、日本オリンピック委員会では報奨金(金300万円、銀200万円、銅100万円)の資金2億6600万円が底をつくのでは? と「うれしい悲鳴」が上がるほどだった。

 ところで、同じく金メダル予想で、誤算も誤算、大誤算に泣いたゴルフ場があった。茨城県の栗橋国際CCだ。

 同CCでは、五輪期間中、「がんばれ! ニッポン!! アテネオリンピック応援キャンペーン」という企画を実施した。その内容は、「日本選手が金メダルを獲得した翌日(アテネ時間)は、前日までの予約でプレーした来場者全員、プレーフィ、食事代とも半額」という思いっきり破格の割引。

 同CCのビジター料金(税込み)は、実勢価格で9月22日まで平日7000円、土日1万2000円だから、平日は3500円、土日6000円。それに50パーセントオフの食事代でラウンドできることになる。しかし、平日に関しては、8月中は1組1万5800円という「1組パック」料金で営業しており、多くは同パックでプレーしており、1人当たり2000円弱+食事代で楽しめることになる。通常料金からすると70パーセント以上の割引きとなる計算だ。

 それが結局、15日~21日まで7日連続で実施されることになったのである。町の居酒屋などで、日本が金メダル獲った日は生ビール1杯サービスなんてキャンペーンは目にするが、ゴルフ場のプレー料金が半額となれば、最近でこそ安くなったとはいえ、かなりの持ち出しになってしまう。単純に1日の売上げが半減するわけだ。

「そもそも思いつきで企画したのが誤算でした」と営業担当者は苦笑しながら話してくれた。

 もともと8月は夏枯れの時期。そこで、直接集客につながらなくても、話題性のあって、喜ばれる来場者サービスになればと企画したそうだ。それに「金メダルは、出ても3~4個だろうとタカをくくってました。渋るレストラン(外注)の方にも、そう説得して協力してもらったんですが……。ええ、レストランの会社は泣いてますね(笑)」

 ただし、3~4日ほどの限られた期間のキャンペーンだから、広報活動も会報やホームページに掲載した程度だったため、事前にはほとんど話題になっていなかったそうだ。そのため、サービス実施の当日になっても、支払いの段になって、初めて半額の割引きの日と知り、驚く人が多かった。

 それでも、連日の金メダルラッシュが続くと、お客さんの中には、「今の日本の勢いからすると、明日も獲りそうだな。明日の予約していこうかな」と真剣に検討する人が現れるようになり、終いには、「メンバーさんの間からは、こんなに安くなっちゃってホントに大丈夫なの? と真顔で心配されました」ということだ。

 最後に、先の営業担当者はこんな話を明かしてくれた。

最後の方は、我々、非国民になってましたね。『日本、頑張るな! 金メダル獲るな』って(笑)

 おそらく五輪期間中は、大方の日本人とは別の意味で、ハラハラドキドキの眠れない毎日を過ごしていたのだろう。

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