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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。 内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。 |
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週刊ゴルフダイジェスト 9/28 |
2004年更新 |
フジサンケイ最終日が荒天中止で賞金減額
「悔しい」横峯さくらのシード獲得への展望
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プロ初戦のフジサンケイレディスでいきなり4位と、デビュートーナメントとは思えない大健闘を見せた18歳・横峯さくら。アマチュア時代から数多くプロトーナメントに出場してきただけに、その成績には驚く声も少ないが、横峯本人は“初任給”となったその4位賞金270万円(最終日競技中止のため75パーセントにカット)に、恨めしそうな表情を見せた。あと2試合で700万円以上を稼ぐことが“ノルマ”になってしまったからである------。
今春、高知・明徳義塾高を卒業した横峯。アマチュア時代から宮里藍と同年のライバルとして注目を浴びてきた大器だが、昨年の宮里のミヤギテレビ杯の優勝以降は「藍ちゃんにできたんだから、私にもできるはず。アマチュアのうちにプロ競技に勝ちたい」と公言、とくに学業のなくなった今季は、4月以降7月までにLPGAツアー競技8試合に出場、つねに優勝を目指して闘ってきた。
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霧でさくらの開花がちょっと遅れたが…… |
賞金を得られないアマチュアの身としては「(ツアー出場権が得られる)優勝以外なら、私にとっては何位でも同じ」とまで言い、4月の再春館レディースでは女王・不動裕理、コウ・ウスンとプレーオフ対決の末、2位。結局プロテスト前のV達成は成らなかったが、宮里にも劣らぬ抜群の度胸、ズバ抜けた飛距離を武器に、いまや女子ゴルフ界の人気の一翼を担う存在となっている。
そして、8月のプロテストでは「プロテストトップ合格者1名に与えられる、今季ツアー後半戦の出場権」を目指した横峯だが、健闘むなしく、わずか1打差で2位に甘んじ、合格者の中でただひとり悔し涙を流した姿は記憶に新しい。
現行のLPGAツアー規定では「トップ合格以外の本年度プロテスト合格者は、今季ツアーに最大2試合、主催者推薦出場できる」とある。横峯の場合、この2試合に加え、昨年10位となった日本女子オープンの出場権があり、今のところ計3試合が今季中に出場できる競技だ。「3試合でなんとか来季のシード権を獲りたい」というのが、現在の何よりの目標である。
ただし、10月中旬に、ルーキー全員が出場できるステップアップツアー競技・穴吹工務店レディース(10月14~15日、香川・鮎滝CC)があり、これに優勝した場合は「翌々週からレギュラーツアー4試合の出場権を得られる」ことになり、今年の日程ではシーズン終盤の3試合(と来季開幕戦)への出場が可能になる。このへんは横峯も計算ずくで、そのチャンスが増えた場合も想定して、引く手あまたの主催者推薦出場試合を9月中のフジサンケイレディス、今週末のマンシング東海クラシックに決めたようだ。
では、横峯は3試合、または6試合でいったいいくらの賞金を稼げば、念願のシード入りを果たせるのか? 賞金ランク50位までの女子ツアーシードは、最近はボーダーラインの金額があまりはっきりしていない。たとえば98年、藤井かすみは1300万円余を稼ぎながら51位に泣いたし、逆に昨年の茂木宏美は973万円でも初シードを手にしている。が、今季ここまでのツアー展開を見ると、昨年同様、不動がすでに8700万円余を稼ぎ出し、追随する宮里も6200万円余、と上位が集中して賞金を獲得しているため、ボーダーラインはかなり低い金額での攻防となる見込みが強い。と、想定すると一応の目安は1000万円か。
横峯はフジサンケイで最終日が中止にならなければ、仮に4位なら360万円を賞金ランクに加算できた。大会スポンサーの好意により、実際には満額が支給されてはいるが、今回のランク加算額は270万円。とりあえずあと2試合で650万円ほどになるはずだった獲得賞金ノルマは750万円近くにハネ上がってしまったわけだ。
ちなみにマンシング東海の賞金額は、優勝が1080万円、2位が528万円、3位が420万円、4位が360万円(2位以下は予選通過中のアマチュア人数等によって変動あり)。日本女子オープンは優勝1400万円、2位770万円、3位542.5万円、4位357万円。横峯本人も「デビュー戦の目標はトップ5でしたが、あと2つはトップ3を目指さなきゃいけないですね」と話したが、最低でもどちらかでベスト3以内に入ることが必要になりそうだ。またひとつ女子ツアーの楽しみどころが増えた。
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